(前回からの続き)
今年の洞爺湖サミットで日本は、「2050年までにCO2を80%削減」というとんでもない?
約束を世界に対して行いました。これを実現するには相当思いきった事をしなければならないという事は素人にもわかります。
容器包装リサイクル法の次の改正は2012年との事ですが、ここでこのポリ乳酸製の容器包装は、「プラ容器」でなくそれ以外のカテゴリーに分類され「紙」と同程度の委託料になるのではないでしょうか。(紙もポリ乳酸も同じ植物性ですから。)もしそうなれば、一気に需要は増えるでしょう。
リスパックと競合するメーカーが以前、公の場で「ああいうもの(トウモロコシ製のポリ乳酸)が認知されると、家畜の餌が減って食料の価格高騰の原因になる!」と批判していたそうです。(あくまで、又聞きですが。)
では石油をどんどん使って容器を作るのはいいとでも言うんですかね(笑)。植物は種さえ蒔けば育ちますが、原油は限りある資源なのでどう考えてもそちらの方が分が悪いと思うのですが(笑)。
それはともかく今回の勉強会でのリスパックの説明では、世界のトウモロコシ生産量約6億トンのうち40%はアメリカ製だそうですが、このうち我々が食べる、つまり人間の食用のスイートコーンは20%であとの80%は食用でない、つまり家畜の飼料などに使われるデントコーンと呼ばれるものだそうです。
このアメリカ産デントコーンのうち、バイオエタノールと呼ばれる燃料としての使用率は25%と結構高いのですが、ポリ乳酸素材への使用率はというと、たったの0.3%!
家畜の飼料不足、ましてや元々食用コーンではないので食糧危機問題に何ら影響のないレベルである事は一目瞭然で、先ほどのような批判は的外れと言えるでしょう。
もっとも将来、ポリ乳酸の需要が大きくなれば本当に家畜の餌不足、さらには人間の食用にまで影響が出る可能性はあります。この為、コーンの芯や茎といった現在捨てている部分をプラスチック化する研究も進んでいて実験段階では既に成功しているそうです。
環境問題に取り組まない企業は生き残れない…というのが私の持論なのですが、ユニーのように率先して環境負荷の少ない容器包装を使うユーザーは、まだまだ少ないのが現実です。
今回の講演テーマにもあるように、文字通り未来の子供たちにより良い環境を残す為にも自分たちがまずできる事から始める姿勢を持ち、最適な提案を行っていく事が我々問屋の使命であると再認識しました。
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