もう五年程前から、休日に月1〜2回のペースで神戸市長田区を訪れています。
JRの新長田駅で降りて少し歩くと、鉄人28号の実物大(高さ約15m)のオブジェがあり、いつも見物客で賑わっています。
作者の故・横山光輝先生が同地の出身である事から昨年造られたそうです。
そう言えば期間限定でしたが、昨年ガンダムも東京のお台場に出現したっけ…。
誰か実物大(身長40m!)のウルトラマンも造ってくれ〜!!
別に鉄人見学が私の目的ではなく、オブジェを横目に向かうのは佐野鍼灸院(http://www.global-communication.co.jp/)、そう、針治療に通っているのです。
針と言ってもこちらで行われるのは、他とは全く違う鍼灸です。
経絡古典治療と呼ばれるこの方法は必ず脈診、つまり脈を見てからその日針を打つ場所を決めます。
そして肩、腰、頭と言った患部ではなく手首、足首、すね等患部から遠いところに針を打つのが特徴です。
何故患部ではなく、遠いところで治療になるのか? 未だに不思議で仕方がないのですが、これであらゆる症状を治してしまうのですから私は「魔法の針」と呼んでおります。
実際私も肩こり、首、便秘、頭痛などが昔と比べるとずいぶん楽になりました。
院長の佐野泰之先生に言わせると患部に直接針を打つ治療はニ○モ○だそうです。
そう言えば私の知人が別の針治療に行った時、針が痛くてたまらず治療を途中で打ち切ったと言っていました。
私自身も昔、別の針で治療後、歯医者で麻酔をかけられた時のようにしばらく身体がけだるかった事を覚えています。
その当時は針治療とはこんなものなんだと思い込んでいました。
針というと注射を連想する人も多いでしょうが、不思議な事に佐野先生の針はいつ針を打ったかもわからないぐらい全く痛みがありません。勿論治療後も快調です。
この経絡古典治療を完璧に行える人は日本に数人しかいないそうで、口コミで評判が広がり、いつも患者さんで一杯です。
私の家からは遠い事とあまりの人気でなかなか予約がとれない事が難点ではありますが、佐野先生は休日も東京や地方にまで往診に行く程の人気ぶりで、患者には有名芸能人やスポーツ選手も多数いるそうです。
この佐野先生、実は学生時代にはアマレスで鳴らした強豪で驚いた事にプロレスラーへの転向も内定していたそうです。
結局鍼灸の道を選ばれたのですが、現在も筋金入りのプロレス・マニアで私の治療時にはマニアックなプロレス談義に花が咲きます。
佐野先生は増え続ける一方の患者さんに対応し、本物の針治療をもっと世に広める為、多くの弟子を育てようと計画しているそうです。
そこで私が、この鍼灸師養成学校に勝手に名前をつけさせて頂きました。
その名も「針の穴」(*)(笑)。
先生にも「弱そうな名前だ。」と大笑いされましたが、プロレスマニアなら何のパロディかすぐにわかりますよね。
患部に針を打たずに効果がある不思議な「魔法の針」の秘密を紐解こうと、いつも治療中は目を凝らして見ているのですがさっぱりわかりません。
自分が20歳ぐらい若けりゃ弟子入りして一から習うんですけどねえ…。
私の代わりに?「針の穴」から多くの本物の鍼灸師が育つ事を期待しています。
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かつてイギリスのランカシャー地方ウィガンに実在し、カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンら多くの名レスラーを輩出した事で知られたビリーライレー・ジム、このジムは通称スネーク・ピット、つまり「蛇の穴」と呼ばれていた。
劇画&アニメ「タイガーマスク」にはこれをもじった悪役レスラー専門の養成機関、「虎の穴」が登場した。 |