包装資材の専門商社 タミヤ

ホーム タミヤのチカラ 商品ラインナップ 環境保全活動 会社情報 お問い合わせ

会社情報

Home > 会社情報 > 社長の経営日誌
会社概要
主要販売・仕入先
社長の日誌

社長の経営日誌

孤高の天才 社長の経営日誌社長の経営日誌 田宮社長が好き勝手に織りなす独白です

FILE No.393

2014.10.4
「 欧州最新流通&物流システム視察(3) 」
 400回までM7 

(前回からの続き)

第7日目 9月2日(火) ドイツ(デュッセルドルフ → ハンブルク)

朝9時にホテルを出たバスが目指すはハンブルク、その距離は実に400km!
長時間座りっぱなしでケツの痛い事よ(涙)…。
昼食を挟んでひたすらバスは走る、ようやくハンブルクに到着したのは15時過ぎでした。
ドイツ最大の港湾都市であるハンブルクは一説によればハンバーガーの発症の地だとか…。
18世紀にこの場所で人気のあったタルタルステーキがアメリカに移住したドイツ人によって海を渡り、ハンブルク風ステーキと呼ばれるようになったと言われています。
でもその割に町にはハンバーガーショップが無かったなあ(マクドナルドは発見)。

長い時間をかけてやって来たのはドイツ、いや世界最大規模の通信販売企業で年商1兆6千億円を誇るOTTO(オットー)社の返品専用センターです。
アパレル分野に限らずドイツでの商品の返品率は全体の30〜40%、日本の10倍にも上ります。日本人は返品に対してどこか後ろめたい気持ちがありますが、こちらではそういう意識自体が希薄なのでしょう。だから例えば洋服のSサイズとMサイズを両方注文しておいて試し着して合わなかった方を送り返す、という事が日常茶飯事として行われ、しかも返品時の送料も販売者負担と言うのですから大変だろうなと思います。
だから日本の場合返品処理と言うと物流センターの一角で細々とやっているという暗いイメージがありますが、こちらでは堂々と?返品処理専用の巨大なセンターが成り立つのです。

でも私からすればある意味ドイツが羨ましいですね〜。我々の業界も案外簡単に返品がまかり通りますが、我々問屋が容器メーカーに返す時なんて7掛けですよ7掛け!
つまり1000円の商品が700円しか返してくれないのです!
おまけに運賃までこちら負担ですからね!(*商品不良、誤出荷等メーカー側に責任がある場合は別)問屋もただでさえ少ないマージンで泣かされているというのにひどい話ですよ…。
問屋がメーカーさんに返品をお願いするのは企画変更などによりユーザーが使用しなくなった為という理由が大半ですが、そもそも問屋が在庫を持つのはメーカーが肝心な時に平気で商品を欠品させたりするからです。
お得意先への安定供給の為に渋々必要以上の過剰在庫をしているのに返す時には7掛けとは開いた口が塞がりませんわ…。
まあ、私もメーカーにいた人間ですからあちらの事情もよくわかるのです。
食品容器の場合、返品された商品は全て箱を開封して検品しなければいけませんし外箱が汚れたり傷んでいる場合は詰め替えをしなければなりませんしね。
ようは7掛けでしか引き取ってくれないのはペナルティ料なんです。でもそれならば欠品などメーカーの都合で納期が遅れた商品の価格も7掛け、つまり通常価格の3割引にしてもらわないと不条理ではないでしょうか。
欠品で納期が遅れた場合、一度で済む得意先への配達がもう一度行かなくてはいけなかったり、他のメーカーの代替品を手配したり、もっとひどい時には問屋自らが何処かに緊急で引き取りに行ったり…、問屋側のリスクは相当なものがあります。
それなのにこちら側だけペナルティがあってあちらに無い事が今持って不思議ですよ。
昔、一度某メーカーに「返品が7掛けならそっちが欠品した時も7掛けにしてよ!」と言ったら半分キレかかってました(笑)。でも私に言わせればそれに腹が立つ事事体が殿さま商売、「売ってやっている」という感覚でいるという事ですけどね。

…おっと、ついついエキサイトしてまたも業界批判になってしまった、僕の悪い癖(笑)話を元に戻しましょう。
さて、そのOTTOの巨大な返品センター、今年から上層部の方針が変わって内部の写真撮影はNGでしたが、続々とコンベヤーで運ばれてくる返品を多くの社員の方が素早く袋を破っては目視で検品、問題がないものはそのまま別のラインでまた綺麗に包装、汚れがあるものは洗濯に廻すという選別作業が行われていました。
センター内にクリーニングルームまである事には驚きましたが、クリーニングしても再販できないレベルのものはアウトレットなどに持っていくそうです。もっともそこまでひどい物は全体の数%のレベルとの事でした。
返品は必要悪、それならば返品を無くす事よりも(勿論少ないに越した事はないが)いかに効率良く対処するかに力眼がおかれている事がよくわかりました。

OTTOを後にして本日泊まるホテルに向かいましたが、便利な市内に宿が取れなかったようで連れて行かれたのは結構郊外にある、平屋に近いホテルでした。
何となくホテルと言うよりバンガローっぽい雰囲気で、しかもホテルの周りには本当に何もない!
従って食事も全員で揃って再びバスで町へ移動して行いました。
港町らしい赤レンガの倉庫が立ち並ぶ倉庫街を散策してからたどり着いたレストランでのメインディッシュは勿論魚料理、でも欲を言えばハンブルクに来たからには元祖ハンバーガーも食べたかったです。
第7日目のダイジェストはこちらをクリック

第8日目 9月3日(水)
 ドイツ(ハンブルク)〜 ベルギー(ブリュッセル)〜フランス(パリ)

この日は飛行機での移動、遂にドイツを後にして、お隣のベルギーの首都ブリュッセルに移ります。
朝9時に、限りなくバンガローに近いホテル(笑)を出発し飛行機が飛び立ったのは11時45分頃でした。
飛行機と言えば厚かましく私、今回もビジネス席で申し込んだのですが(リスクだらけの因果な商売である社長業、庶民のささやかな贅沢とお許しを 笑)、この飛行機だけ何故か エコノミー席で発券されました。
迂闊にも搭乗してから気がついたのですが、ま、別に正味一時間ほどのフライトだし小さな飛行機なのでビジネスもエコノミーも席の大きさは同じ、唯一の違いはビジネス席には軽食のサービスがあった事ぐらいで(こっちは飲み物すら出なかった 笑)別段気にはなりませんでした。
しかし、ブリュッセルに到着して荷物が出て来るのを待っていたら、ブラジルでもご一緒したいつもビジネス席を愛用されている方々が近づいて来て「いや〜、田宮さん無事飛行機に乗っていましたか!? ビジネスに姿が見えないんで乗り遅れたんじゃないかって心配しましたよ!」と言われました。
小さな飛行機なので真ん中辺りに座った私からは前方のビジネス席にいる皆様方が見えていたのですが…そりゃあいつもその場所にいる人がいないと皆心配になりますよね、お騒がせしました!
で、帰国後念の為旅行社に問い合わせてみたら発券ミスではなく、このハンブルク〜ブリュッセル行きの便のみ私の分のビジネス席が確保できなかったんだって、な〜んだそれならそうと予め言っておいてよ。他の方と違い私は関空発着ルートで申し込んだ事も影響していたようですが、旅行社の方が「ブリュッセル行きはビジネスもエコノミーもシートは同じなので差し支えないかと思いまして。」と言うのですかさず「でもビジネスは食事が出ていましたよ。」とツッコミを入れる私でした(セコイ! 笑)。

ベルギーは人口1000万人ほどの小さな国、チョコレートが有名ですがベルギーと言うと私が真っ先に思い浮かべるのはミステリーの女王アガサ・クリスティが生んだ名探偵、エルキュール・ポアロですね。
ポアロ作品はイギリスが舞台ですが、ポアロ自身はベルギー人の設定、ポアロ同様私の事も「灰色の脳細胞」(ポアロの口癖)を持つ男と呼んでください(笑)。
ポアロと言うと代表作の一つが「オリエント急行の殺人」ですが、実はこの次の日がフランスのパリで一日自由行動の日なので、オリエント急行に乗れないかと旅行社の方に調べてもらっていました。パリを経由するかと思っていたのですが残念ながらその路線は既に無くなっているとの事、昨年のロシアでのシベリア鉄道に続きオリエント急行にも乗り損ねました、ガッテム!

ブリュッセルでやって来たのがBELORTAの青果センターです。
ここは欧州最大と言われる野菜、果物の取引市場&配送センターで1600種類もの商品で年間3億5千万ユーロ(約490億円)もの取り扱い量を誇ります。
販売先の40%はベルギー国内ですが60%が海外でフランスやドイツが主流との事、広い場内を案内して頂いて最後にオークションルーム、つまりセリをする場所を見せて頂きましたが、大きなモニターのある会議場で日本のセリとは随分イメージが違いました。
ここにスーパーのバイヤーや仲卸が集まり画面に紹介される商品を次々と競って買うわけですが、実際この場所までやって来るのはほんのひと握りで大部分の人はインターネットを通じて自宅やオフィスにいながら参加しているそうです。
つまり彼らは実際の商品を目で見る事なく購入しているわけで、ここの商品なら間違いないと言う絶大な信頼関係が築かれている事を実感、それにしても日本で言う目利きと言う感覚が全く無い事に驚きました。

タイトなスケジュールの中、16時にブリュッセルを後にしたバスは今夜の宿泊地であるパリに向けて出発しました。到着予想は夜の21時になりそうとの事、またケツが痛くなる〜(涙)。
第8日目のダイジェストはこちらをクリック

(次回へつづく)
<過去の日記>
サイトマップご利用にあたってプライバシーポリシー

(c) 2007 TAMIYA.Ltd