(前回からの続き)
本日はエイプリルフール、嘘しかつかない男(先月までやってたドラマ「嘘の戦争」面白かったね)の私にはぴったりな日です(笑)。
4月に入ってもまだまだ続く2月のネタ、天王山として登場するのは新興インディ団体「ダイアモンド・スターズ・レスリング」(以下DSW)の特別ゲストとして来日した「暴走戦士」ロード・ウォリアー・アニマル(日本での呼称はアニマル・ウォリアー)です!
昨年4月にアメリカでもお会いしたアニマルですが(これは嘘じゃない、証拠写真あり!)
今から32年前(1985年)、「ザ・ロード・ウォリアーズ」が全日本プロレスのリングに待望の初来日を果たした時は衝撃的でした。
アニマル、そしてロード・ウォリアー・ホークことホーク・ウォリアー、まるで映画「マッドマックス」の世界観そのままのモヒカン刈りにサイケデリックな顔面ペイントを施した二人のマッチョマンが、ブラックサバスの「アイアンマン」の不気味なメロディに乗って颯爽と入場したかと思うと、飢えたライオンの如くゴングがなる前から対戦相手に襲いかかり、スピードとパワーで圧倒してあっという間にKOしてしまうのです。
初来日のシリーズ(一週間の特別参加)では両国国技館で戦ったジャンボ鶴田、天龍源一郎の鶴龍コンビとの一戦(鶴龍のインタータッグに挑戦)、最終戦・名古屋での長州力、キラー・カーン組戦(保持していたAWA世界タッグの防衛戦)を除く全ての試合が5分以内の短期決着でしたが、ファンは大満足でした。
因みに当時マスコミがウォリアーズに付けたニックネームは「殺刃(サツジン)軍団」…恥ずかしながら私、この字がずっと読めませんでした(苦笑)。
さらにカミングアウトしますと、「イリノイ州シカゴのスラム街でドブネズミを食って飢えを凌いでいたところをマネージャーのポール・エラリングに拾われてプロレス入り」と言う二人のプロフィールを半ば本気にしていた私、アニマルはフィラデルフィア、ホークはミネアポリス出身で二人共ハイスクールに通う普通の少年時代を過ごしたのを知ったのは随分後の事でした(笑)。
80年代の全日本マットを席巻したロード・ウォリアーズですが、惜しむらくは暮れの「世界最強タッグリーグ戦」への参加が一度もなかった事です。
ウォリアーズがアメリカであまりにも売れっ子であった為、いかに馬場さんの政治力を持ってしても、彼らを三週間も日本に拘束する事が出来ず、来日しても常に一週間の特別参加扱いでした。
初来日前のインタビューで二人は「オールジャパンのタッグリーグは歴史と権威があるのでいつか制する必要がある。俺たちが出場したら初参加・初優勝をやってみせる。」と語っていただけに、一度は実現して欲しかったです。
NWA、AWA、WWF、全日本で頂点のタッグ王座を極めた世界最強のタッグチーム(スタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディとの試合が観たかった!!)、2003年10月19日、ホークが46歳の若さで亡くなった時は本当にショックで、一つの時代が終わった事を実感しましたがその後もアニマルは単独で活動を続け、2011年にはアニマル、ホーク、マネージャーのポール・エラリングの三人でWWEの殿堂入りを果たしました。
今も生き続ける暴走戦士伝説、アニマルは正式に引退したわけではないですがリングからは遠ざかっており、久々の来日もマネージャー役での登場でしたが、生アニマルが拝めれば何の文句もありません。
そして今回アニマル招聘に成功したDSWは米NWAと業務提携している為、他にもNWA世界王者のティム・ストームを始め豪華メンバーが勢揃いしました。
会場は新木場1stRING、私がここに来るのは一昨年以来です。
皆さん信じられますか、新木場の狭い空間にアニマルやNWA世界王者がやって来るのですよ〜!!
かつて世界最高峰と言われたNWAと、ローカルのインディ団体と化した現在のNWAがそもそも同一と言えるのかどうかは議論の分かれるところでしょうが、我ら昭和世代にはNWA世界戦が生で観られるというだけで涙もの、私もNWAに敬意を表し、ベルトのレプリカを持参しました。
アニマル効果は大きく超満員札止めの新木場、第4試合でハプニングが起こりました。
NKPWA韓国ヘビー級選手権なる、わけのわからないと言うか、いかにもインディらしい怪しさ満点(失礼!)のタイトル戦で、試合の終盤、王者のユン・ガンチョルと挑戦者のKENZOが私のすぐそばで場外乱闘を始めました。
セコンドが沢山いるメジャー団体なら、こういう場合も的確に観客の安全を確保するのですが、インディではそうもいきません。
王者のガンチョルがKENZOに対して無謀にも客席に向かってブレーンバスター!
何と投げられたKENZOの長い足が私に命中!ばったり倒れた両選手のそばで私までダウンしてしまいました。結構痛かったですが反面嬉しかったのも本音、やはりプロレスファンはある種のヘンタイです(笑)。
試合はそのまま両者リングアウトのドローとなりましたが、ビデオ収録されていましたのでしっかり私の醜態も収められている事でしょう、ああ恥ずかし(汗)。
facebook友達で、この日御夫婦で観戦に来られていた村澤さんがしっかり写真を撮っていて後で送って下さいました。逃げ遅れたピンク色のマフラーの私に向かってブレーンバスターが飛んで来るのがよくわかるナイスショットです。
さて、いよいよメインイベント、本日の主役アニマルがNWA世界タッグ王座に挑戦するロブ・テリー、宮本和志組のマネージャーとして二人を従えるようにしての入場、バックに流れるのは勿論「アイアンマン」、場内のムードは最高潮です。
因みにアニマルの自伝によると、このテーマ曲を使うようになったきっかけは84年AWA入りした時にホークと二人で車で移動中、偶然カーラジオで聴いて閃いたとの事ですが、ドン!ドン!ドン!と鳴る重低音のイントロから始まり「ア〜イアン、ア〜イアン!」の不気味な雄叫び、ウォリアーズと言うと条件反射的にこのメロディを口ずさんでしまいますよ。
あくまでセコンド役のアニマルでしたが大人しくしているわけがなく、試合に介入して来るブルース・サープ(NWA会長)に激怒して鉄柱に叩きつける大暴れ!
最後は自らエプロンに上がって喉を掻っ切るポーズから「フィニッシュ!」と指示すると、テリー&宮本がウォリアーズの十八番、ダブル・インパクトを決めて見事新王者に輝きました。アニマルと新王者組がリング上で抱き合っていた時、血だるまのサープ会長が私の足元でダウンして驚きました。会長自らここまでやるNWAは凄い団体です(笑)。
(2.23DSW新木場大会の模様はこちらをクリック)
大興奮の試合終了後は売店でのサイン会、さらに飽き足らず選手の出待ち…いい歳して出待ちなんていつ以来の事やら、気持ちは完全にプロレス少年だった時代にタイムスリップしていました。
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一人、また一人と選手たちが出て来ますが、肝心のアニマルがなかなか姿を現しません。
時間もかなり遅くなり、グッズの売店もとうに撤収、出待ち軍団もかなり少なくなった頃、ようやくペイントを落としたノーメイク状態のアニマルが姿を現しました。
これから関係者と食事に行くのでしょうが、なかなか行先が決まらない為かアニマルは暫くの間車に乗らず佇んでいました。
もう既に残っていたファンは5〜6人程度で、皆サインを貰うチャンスを伺っていましたが、アニマルは何とも近寄りがたいムードを醸し出しファンを無視、少し離れた場所から見ていた私は(あ〜、こりゃ無理だな)と諦めモードで帰るのを見送ろうと思っていました。
ようやく行先が決まったようで関係者に促されたアニマルは乗車、しかしここでわざわざ 車の窓を開けるとファン一人一人にサインしてくれたのです!
車を見送った後、残っていたファン同士で「粘って良かったね。」と大喜びして家路に着きました。
これは後である人から聞いた話ですが、この日の第3試合で行われたインディーズの選手によるバトルロイヤルを観たアニマルは控え室で「何だあれは!あれがプロレスなのか!?」と激怒したそうです。
世界のトップをとったアニマルからすればインディの一部の、普通の人と変わらない体格のレスラーなどとても認められないのでしょう。昭和の怖い外国人のイメージが今も健在だった事が何より嬉しかったです。
結局、この日持参したNWA世界王座のレプリカの裏には現王者、元王者、関係ない人も含めて(笑)多くのサインを寄せ書きして頂きました(写真参照)。
左からアニマル、マット・リビエラ、元王者のロブ・コンウェイ、中央は昨年アメリカで頂いた元王者、テリー・ファンク!、そして現王者のティム・ストーム、ロブ・テリー、 スペシャルレフェリーのジェームズ・ビアードの豪華版となりました。
この日は大流血で病院送りとなってしまった為チャンスはありませんでしたが、出来れば次回はサープ会長にサインを入れて頂きたいものです。
そしてこのベルトと言えばやはり私の世代的はハーリー・レイス、リック・フレアーのイメージが強いので(何度かベルトのデザインは変更されたがこのタイプは通称レイス・モデルと呼ばれている)いつの日か表面に(裏面はもうスペースが無い)このお二人のサインを入れて頂きたいと思っています。
くたくたでホテルに帰って来てコートを脱いだ時はっと気がついたら、あれ?マフラーが無くなっていました! 最初は場外乱闘に巻き込まれた時に無くしたのかと思いましたが、写真を見ると試合後のツーショット撮影の時には巻いているので果たして何処にいったのやら…試合&出待ちの興奮で舞い上がっていて全く気がつきませんでしたよ。拾った方はご一報お願いします!
試合は終わりましたが、アニマル・ウォリアー来日記念の狂想曲?はまだまだ続きます!
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(次回へつづく) |
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