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社長の経営日誌

孤高の天才 社長の経営日誌 田宮社長が好き勝手に織りなす独白です
  FILE No.782 2022.5.14  

「 プロレス週刊誌(4) 」

(前回からの続き)

ピークは過ぎたとは言え90年代後半までは好調の数字を保っていた週プロ、週ゴン、ファイトの3誌(紙)も、21世紀に入り様々な要因からプロレス界が暗黒時代に入ると部数の落ち込みに歯止めがかからなくなりました。
プロレスそのものの人気が大暴落すれば雑誌が売れなくなるのも当然と言えば当然、それに加えインターネットの急速な台頭で出版業界そのものが大苦境に陥った事がダブルパンチとなり、遂に2006年にファイトが、2007年にはゴングが長い歴史にピリオドを打ち廃刊に追い込まれました。
唯一生き残った週刊プロレスも元編集長のターザン山本氏によると、現在の部数は「全盛期の7〜8分の1」程度まで落ち込んでいるそうです。
かくいう私も、半分惰性で現在も購読を続けているとは言え、何しろ今や試合結果を含めあらゆる情報がSNSで瞬時に伝わり「週刊でも遅過ぎる」時代になってしまったので、大変失礼ながら殆ど読むところが無いと言うのが正直なところです。
勿論私自身が現在のプロレスにあまり興味が無い事も大きな理由ですが、毎週真っ先に目を通すのが「フォト自慢」のページ(自分が載っているかチェック 笑)、お次は昭和プロレスを回顧した流智美先生のコラム、後は余程興味を引く企画物(好きな選手のインタビュー、対談など)以外はパラパラ目を通す程度になってしまい、かつての一文字一句、隅々まで読んでいたのが嘘のようになってしまいました。

現在は水曜日に発売の週プロですが、水道橋にあるプロレスショップでは発売日前日の火曜日の午後には入手できるので、火曜日に都内にいる時(年に何度も無いのですが)は買いに行っています。
昔、新宿にあったプロレスショップでは毎週販売日前日に100冊は入荷していて、しかもその日のうちに売り切れていたと言うから凄いの一言ですが、現在その水道橋のお店で入荷する数はたったの2冊、店長曰く「それ以上仕入れても売れ残ってしまう可能性が高いから。」 …何とも寂しい話ですが、特筆すべきは現在は昔と比べ入稿作業などがデジタル化したおかげでスピードが飛躍的にアップした事で、いつだったか火曜日に購入した本のカラーグラビアに自分が前夜(月曜日)観戦した試合が掲載されていたのにはぶったまげ、感動しました。
週プロを除くと、定期的に発行される唯一のプロレス専門雑誌で楽しみにしているのが、2007年から年に4回発行される辰巳出版の「G-スピリッツ」です。

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 ひたすら昭和に特化した
「Gスピリッツ」の最新号

タイトル名の由来は「ゴングの魂」、そう、ゴングの元スタッフにより新たに創刊した季刊誌で、その内容は現代のプロレスは無視してひたすら昭和プロレス(ごく稀に平成初期も)に特化、何しろ令和の時代に日本プロレス、東京プロレス、国際プロレスの大特集ですから徹底しています(笑)。
因みに先々月発売された最新号(通算第63号)は旗揚げ一年目、ノーテレビ時代の新日本プロレスがテーマで、興味深く拝読しました。
勿論今の若いファンは見向きもしないでしょうが、逆に最近のプロレスに興味の無い我々のようなオールドマニア(絶滅危機種だが一定数存在 笑)をがっちり捉え、毎号5000部前後売れているそうですから、これは見事なニッチ(隙間)商売、失われつつある昭和プロレス文化の継承の為にも長く続いて欲しいものです。

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 黄金時代を築き上げた当時の週プロメンバーと

私は今でも秋葉原駅に行くと、発売日前日に雑誌を買いに走った当時の事を懐かしく思い出します。今は雑誌や新聞を売るスタンド自体が無くなってしまい、ここでも時代の流れを感じ寂しさを禁じ得ません。
現在日本にスポーツ系の週刊誌は週プロ以外には「週刊ベースボール」(共にベースボールマガジン社)しか存在していません。
サッカー、相撲、テニスなど世間的にはプロレスより遥かにメジャーな人気スポーツ(競技)があるにも関わらず、何故か「週刊相撲」や「週刊サッカー」はビジネスとして成り立ちません(*一時期「週刊サッカー」はあったが後に月刊になったそうです)。
プロレスファンにとっては「週刊プロレス」が存在する事自体が大きなステイタスだし、一時期は一般誌と肩を並べる勢いだった事が誇らしかったものです。
来年には創刊(週刊化)40周年を迎える週プロですが、時代は変わっても唯一のプロレス週刊誌を応援していくつもりです。

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