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孤高の天才 社長の経営日誌 田宮社長が好き勝手に織りなす独白です
  FILE No.784 2022.5.28  

「 試合記録の謎(2) 」

(前回からの続き)

渡米武者修行時代の猪木さんが兄の仇?ペッパー・マーチンとのコンビで太平洋岸タッグ王者となっていた!?

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 アントニオ猪木全試合記録集は2種類あり

真偽を確かめるべく調査開始、こんな時に役に立つのが猪木さんのデビューから引退まで、海外での試合を含め全てを網羅した全試合記録集です。
猪木さんの試合記録はこれまでデビュー50周年記念DVDBOXの付録(便宜上、50周年版と呼称)がありましたが、それに加え昨年60周年を記念してチームフルスイングのマガジンとして新たな改訂版が発売されました(以後、60周年版と呼称)。
特に海外の試合記録に関してはまだまだ抜け落ちやあやふやな部分が多く、10年ぶりの記録集では可能な限り追加・修正したとの事ですが、実際今回猪木さんとペッパー・マーチンの絡んだ試合を調べてみると、50周年版と60周年版では日付けや会場の違いがありました。混乱を避ける為、ここでは最新60周年版の記録を掲載します。
(*オレゴンでの猪木さんのリングネームはミスター・カジモト)

1964年
11月9日 オレゴン州 ポートランド レイバーテンブル
ミスター・カジモト & ペッパー・マーチン (勝ち) パット・パターソン&モーリス・パリー
11月16日 オレゴン州 ポートランド レイバーテンブル
ミスター・カジモト & ペッパー・マーチン & バディ・モレノ (反則勝ち) パット・パターソン & モーリス・パリー & エル・シェリフ
11月27日 オレゴン州 ポートランド アーモリー
ミスター・カジモト (引き分け) ペッパー・マーチン
1965年
1月6日 ワシントン州 タコマアーリー
ミスター・カジモト (引き分け) ペッパー・マーチン
2月12日  オレゴン州 ポートランド アーモリー
ミスター・カジモト (時間切れ引き分け) ペッパー・マーチン
2月16日 ワシントン州 シアトル マソニックテンプル
ミスター・カジモト (時間切れ引き分け) ペッパー・マーチン
5月17日 オレゴン州 ポートランド レイバーテンブル
ペッパー・マーチン (勝ち) ミスター・カジモト

上記以外でバトルロイヤルでも顔合わせしている可能性がありますが、記録には「8人参加」「10人参加」とあるだけで出場全メンバーの顔触れが分からず、両者が揃って出場した確証が無いので割愛しました。
64〜65年にかけて計7回絡んでいる二人ですが、注目は11月9日の試合!
実はこれが猪木さんの当地でのデビュー戦ですが、なんと初戦でいきなりペッパー・マーチンとのタッグが実現し、しかも勝っているのです!ひょっとしたらこの試合が太平洋岸タッグ選手権試合だったのでしょうか!?
しかしそもそも同地区にそのようなタイトル自体が存在しませんし、仮に猪木&マーチンが王者になっていたらセオリー通り防衛戦が組まれてしかるべきですが、二人が(トリオを除き)タッグを組んだのはこれ一度きりです。
Gスピリッツ(以下、Gスピ)16〜19号に小泉悦次氏が寄稿した「カンジ・イノキのアメリカ武者修行」と題した猪木さんのアメリカ時代を検証した連載があり、オレゴンでのエピソードやペッパー・マーチンの記述がありますがそこにもそんな話は皆無で、いよいよガセネタの可能性が高まったところで、今回のネット記事の元ネタとなった「昭和プロレス研究室」の管理人、ミック博士に問い合わせてみました。
実はミック博士とは何度か面識があり、SNSでも繋がっていますので最初からそうしても良かったのですが、そこはマニアのプライド(笑)?やはり自分なりに調べたうえで、と手順を踏んだわけです。

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 「ザ・レスラーベスト1000」には確かに猪木と
王座奪取の記述があるが
明らかに事実誤認

私の疑問にミック博士はサイトの選手名鑑は1999年に作成、参考にしたのがゴングでお馴染みの日本スポーツ出版社から発刊された「ザ・レスラーベスト1000」であると、そのページを見せてくださいました。確かにそこには「ロサンゼルスでアントニオ猪木と組んで太平洋岸タッグ王座を奪取」との記述が!しかもロサンゼルス!?
念の為、猪木さんのロス(とその周辺)時代の記録もチェックしましたがやはりそれらしき試合は見つかりませんでした。

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 修正された「昭和プロレス研究室」の選手名鑑

この本自体が30年以上も前のもので、ニュースソースに関してはもはや調べようがありませんが、最終的に我々の結論は「猪木とペッパー・マーチンはタッグを組んだ事はあるものの、二人でタイトルを奪取した事実はない」に落ち着き、ミック博士はすぐさま自らのサイトの名鑑を修正されました。
その仕事の速さに感心したもので、毎日ガセネタを連発し自分の言葉に何ら責任を持たずライターを自称している何処かの輩に爪の垢を煎じて飲ませたいと思ったものです(笑)。
尚、ミック博士からは「情報ありがとうございます。」のお礼と「しかしこういうマニアックなやりとりは楽しいですよね。」のお言葉を頂きました(笑)。

(次回へ続く)
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