ゴールデンウイーク明け、初の更新です。
4月の中盤から後半にかけて本年度の天王山とも言える海外視察に行って来ましたが、帰国するとすぐに大型連休に突入…と言うわけで詳細は次回以降にお届けします。
ブログの更新って皆様が想像するよりずっと大変なんですよ! タイトなスケジュールでいつもデザイナーさんから怒られてるぐらいですから(苦笑)。
そこで今回は世界プロレス界最大のビッグイベント、WWE(FILE No.412,413参照)の「レッスルマニア」(英語風に言えばレッスルメ〜ニア!)の話題です。
記念すべき第一回目の「レッスルマニア」が行われたのは1985年3月31日、今からもう30年も前の事となりました。
メインでは映画「ロッキーIII」で共演したハルク・ホーガンとミスターTの夢のタッグが実現、ニューヨークのMSG(マジソン・スクエア・ガーデン)に超満員2万6千人の大観衆を集め、全米138箇所の会場でクローズド・サーキット(映画館などでの生中継)と言う当時のマット界の常識を覆したこの画期的なイベントは一夜にして400万ドルもの収益を上げる大成功を収めました。
勢いをつけたWWE(当時の名称はWWF)は全米に一大プロレスブームを巻き起こし、他の追随を許さず米マット界の統一を果たした事は前回も触れた通りです。
あれから30年、今年の3月28日(現地時間)に開催された「レッスルマニア31」のスカパー!のPPV放送(日本語字幕版)を4月9日視聴しました。
約10日遅れのオンエアと言うと随分長く感じるかもしれませんが、昔から観ているファンに言わせればこれでも飛躍的に早くなったのだそうです。
以前は番組データの受け取りが現在のような電送ではないのでテープが届くまでに最低一週間はかかり、それから翻訳作業に入るのですから実際の試合からオンエアまで一ヶ月以上もかかったそうですよ。
因みにWWEの番組の翻訳には、30〜40人もの人が関わっていると言うのですから驚きです。例えば3時間の番組の場合一人が20〜30分ずつを担当して翻訳原稿を作り、さらにそれを統括するチーフが4〜5人いて全体を見て統一感を持たせるらしいです。
私も連日の番組観賞のおかげで、英語のリスニングが鍛えられて助かっています(スピードラーニングより効果あり!?笑)。
「レッスルマニア」は年に一度の総決算、大河ドラマの最終回のようなものですからどうせなら試合結果を知らずに生中継感覚で楽しみたいのがファン心理、そこでオンエア当日まで情報を入れないように細心の注意を払っていました。
しかし、この情報が発達した現代に逆に情報を遮断すると言うのは以外に難しい事でした。例えば、私が毎週購入しているマット界の裏ネタ満載の電子書籍のミルホンネットには、毎回WWEの結果速報が掲載されています。
これって映画やドラマの結末を先に知ってしまうようなものなのでありがた迷惑な話、数ヶ月前にも私が楽しみにしていたPPV大会の結果をオンエア前に目にしてしまい興醒めした苦い思い出がありました。
折角の「レッスルマニア」で同じ轍を踏むまいと、数週間前に編集部に「WWEの試合結果は放送日以前に掲載しないでくれ!」と苦情のメールを入れたら「速報性が大事で早く載せないと逆に読者からお叱りを受けるケースもあるのです。何なら読み飛ばすようにして下さい。」との返事が来ました。
こちらとしては読み飛ばすつもりで、WWEの頁になると慌ててクリックして次に行こうとするのですがご丁寧に大きな見出しで「○○勝利!」とか「××タイトル奪取!」と結果を謳って下さっているので嫌でも目に入ってしまいます。
その旨を再度メールで伝え改善を要求したところ「ネタバレ注意!○頁から○頁まではレッスルマニアの詳報です。読みたくない方は○頁からクリックして下さい。」と但し書きを入れてくれるようになりました。
WWEの公式サイトも閲覧しないようにしてネット情報は無事封じ込めに成功しましたが、いよいよオンエアまであと一日となった4月8日、いつものように週刊プロレスを買いに行ったら表紙に「レッスルマニア31詳報」の文字が!
ヤバイ!と慌ててWWEの掲載頁をセロテープで開かないようにしました(笑)。
こうした苦労のおかげで当日は世界最高のイベントを心ゆくまでリアルタイム感覚で堪能出来ました。
今年の会場はカリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムで発表によると観衆は実に76,976人!
全米50州はもとより世界40ヵ国からファンが集まり、サンタクララの町はレッスルマニア一色だったそうで、その経済効果は日本円にして40億とも50億とも言われています。
日本にいる我々にはピンと来ませんが「レッスルマニア」は単にプロレス界に留まらず国民的行事として定着しているのです。
WWEの総力を結集したイベントに相応しく演出も超豪華で、試合も盛り上がりましたがやはり最大の注目はメインイベント、WWE世界ヘビー級選手権試合の王者ブロック・レスナーvs挑戦者ローマン・レインズの大一番でした。
王者のレスナーはかつて新日本プロレスにも来日し、総合格闘技(UFC)で活躍した事もあるヒール(悪役)の強豪、一方挑戦者のレインズは近年団体から最もプッシュされているベビーフェース(善玉)のスーパースターですが、「レッスルマニア」のラストはいつもハッピーエンドで終わるのが常ですから、当初はこの大舞台でレインズが新王者になるのは九分九厘間違いなしと見られていました。
王者レスナーが今回の大会を最後にWWEとの契約が満了となり、再びUFCに参戦するとの情報が流れていた事もタイトル移動説の根拠となっていましたが、直前になってレスナーが一転WWEへの残留を正式表明、これで勝負の行方がわからなくなって来ました。
大注目の一戦は前半、王者レスナーがパワーで圧倒も後半になり挑戦者レインズが反撃、それぞれの必殺技が炸裂していよいよ佳境に入りました。
さあ王者の防衛か?それとも挑戦者の勝利か?
思わず身を乗り出す私、その時突如会場に響き渡るテーマ曲とともに疾風のように入場ゲートを走ってくるのはヒール・キャラのセス・ロリンズ!
このロリンズは9ヶ月前の「マネー・イン・ザ・バンク」という大会で優勝して王座への挑戦権を獲得、その権利証をアタッシュケースに入れて持ち歩いていたのですが、何とリングインすると今この場での挑戦権行使を宣言したのです!
思わぬどんでん返しに「そう来たか!?」とテレビの前でのけぞる私、急遽三つ巴戦となった試合はロリンズが既に疲れきっているレスナー、レインズに次々と必殺技をお見舞いしあっと言う間の3カウント、まさかの王座奪取に成功!
WWE無関心の時代遅れの皆様、一人で興奮してすみません(笑)、しかし完全に一本取られましたよ。
バッドエンディングにも関わらず観客は満足げのようで、豪快に花火が打ち上げられる中、勝ち誇り高々とベルトを掲げる新王者ロリンズを見ながらWWEの恐ろしさをまざまざと感じました。
お腹一杯「レッスルマニア31」を堪能した私ですが、後日残念なお知らせを目にしました。
私が密かに?お気に入りで今年の「レッスルマニア」でも見事な勝利を飾ったディーバ(女子選手)のAJ・リー選手が直後にWWEを電撃退団したのです。
ニュースを見た限りではWWEを離脱しただけなのか、プロレスそのものから引退したのかは判然としませんが、初来日を期待していた身としてはショックでした(涙)。
AJ・リー! カムバ〜ック!!
さて、来年の「レッスルマニア32」はテキサス州ダラスのAT&Tスタジアムで行われる事が既に決まっていますが、実は以前WWEが「レッスルマニア」を行うべき会場と言うのを発表しまして、その中には何と東京ドームが入っていて驚きました。
以下、前回も紹介したWWEアジアGMのインタビューより「レッスルマニア」東京開催の可能性について言及している部分を抜粋してみましょう。
「現在はアメリカ国内だけでも複数の都市が立候補している状況なので、北米以外での開催はかなり難しいと思います。これが10年前ならもう少し可能性はあったと思いますが。
ただ、可能性がゼロではないと思います。その場合は日本政府をはじめとする行政のバックアップ体制は絶対に必要になるでしょう。北米以外の開催となるとロンドン、メキシコシティなどがライバルになるでしょうね。」
実のところ、私自身最初は東京ドームなんてはなから無理だと思っていました。
現在年に一度のペースで日本公演を行うWWEですが(今年は7月に両国国技館二連戦)、過去の実績では両国国技館、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナあたりが精一杯だからです。
もっとも日本の団体で現在これらの大会場に進出できるのは殆ど新日本プロレスだけと言う事を思えばそれだけでも凄い事なのですが、世界一のWWEと言えども単独での東京ドームは絶対不可能、そう決めつけていましたが、今年のレッスルマニアを観ているうちにひょっとすると…?と考えが変わって来ました。
勿論日本のファンだけでドームを埋めるのはとても無理ですが、前述のように「レッスルマニア」となるとそれこそ世界中のファンが海を越えて集まってくるからです。
海外から来るファンが日本にお金を落とせばその経済効果は莫大、東京都知事よ、オリンピックの次はレッスルマニアの誘致に全力を注げ!
しかし東京開催が現実になればワールドカップやオリンピックの時のように、普段はプロレスやWWEに見向きもしない連中がその一瞬だけバカ騒ぎをするのでしょうかね〜? ああ、おぞましい(笑)! ま、それでもいいから実現して欲しいものですが、冷静に考えりゃアメリカですら各都市が凄い誘致合戦を繰り広げているのですから日本開催の可能性など限りなくゼロでしょうね…。
実現性限りなくゼロ?の日本開催を待つぐらいなら、一生に一度で良いので本場アメリカで「レッスルマニア」を体感したいものです。
いつになるかはわかりませんが、プロレスファンとしての最大の夢、世界最大の大会に必ず乗り込みます!
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