FILE No. 955 「シュツットガルトの惨劇(8)」

「シュツットガルトの惨劇(8)」

(前回からの続き)

元々、日本工業協会主催の「ドイツ・フランス産業視察」のレポートとして始まったこのブログ、いつの間にか横道に逸れて(予定通り?)すっかりプロレス、と言うよりローラン・ボックの話に終始する事となりました(笑)。
そろそろ軌道修正して旅行記に戻らなければなりません、シュツットガルト3日目、6月18日の朝はここに来たからには絶対行っておきたかった(行かなければならない!)場所を訪れました。
勿論「シュツットガルトの惨劇」アントニオ猪木VSローラン・ボックの舞台となった会場、キレスベルクホールです。
もっとも、同会場は既に取り壊されており現存しない事は二年前にここを訪れていた甘井もとゆきさん(猪木さんの元マネージャー)からの情報で知っていました。
渡航前に猪木VSボックの試合映像をチェックしたら古舘伊知郎アナが「小高い丘の上にあるここキレスベルクホールは普段は国際見本市の会場として使用されています。」と実況していましたが、甘井さんの調査によると同会場はメッセ・シュツットガルトなる見本市会場のほぼ中心にあったようです(写真参照)。

当時のキレスベルクホール
*写真提供 甘井もとゆきさん
メッセ・シュツットガルトのほぼ中心にあった事がわかる。
*写真提供 甘井もとゆきさん

シュツットガルト空港に隣接したメッセ・シュツットガルト自体は今も見本市に使用されており、ホテルからタクシーで20~25分ぐらいの距離の場所でした。
この日は朝8時に視察に出発なので何としてもそれまでに帰って来なくてはならず、前日のうちに現地ガイドに6時でタクシーの手配を頼んでおきました。
ガイドさんにメッセ・シュツットガルトに行きたいと伝えると怪訝そうに「今、何か展示会やっていましたっけ?」(それも早朝から!)
ヨカタにローラン・ボックの話をしてもわかるわけがないので「いえ、ちょっと施設の建物を見て写真を撮りたいだけです。」と適当にごまかしました。恐らく私の事を建築デザイナーか何かと思ったかもしれません(笑)。

地獄の墓堀人がキレスベルクホール跡地に帰還!

当日の早朝、早めの5時40分頃ロビーに下りると既にタクシーが一台待機していました。てっきり予約した車だろうと翻訳アプリを使って話しかけるもどうも話が通じず…どうやら予約車とは違ったようでしたが、行き先を告げるとOKしてくれたのでそのまま乗車、おかげで予定よりかなり早く到着しました。
空港の隣りとは言え、メッセ・シュツットガルトは目の前が畑の辺ぴな場所、展示会をやっていれば人で賑わうのでしょうが早朝だけに本当に人っ子一人いませんでした。
日本から持参したローラン・ボックのフィギュアで写真を撮っていたましたが、折角なら自分の記念写真も撮りたい、しかし本当に誰もいないのでスマホで苦手な自撮りしかないかと思っていたら、奇跡的にたった一人だけ通行人が現れました。
人の良さそうな方だったので思いきってシャッターを押してくれとお願いすると気さくに応じてくれましたが内心(このジャパニーズ、こんなとこで何やってんだ?)と不審がっていた事でしょう(笑)。
シュツットガルトの惨劇の跡地はこちらをクリック
帰りは空港まで歩いて(徒歩5分ぐらいだそうです)タクシーを拾うよう言われていましたが、そもそも自分のいる場所から空港が見えず東西南北どちらに行けば良いかがわからない(苦笑)、やむなくウーバーを使うとすぐ車が来てくれて無事帰還、余裕で朝食をとる事が出来ました。

聖地巡礼の後は予定通り8時に視察に出発、空気圧機器と電動機器のメーカーであるフエスト株式会社を訪問、クラシックカー専門の修理工場、最後にメルセデンスベンツの博物館を見学して一日が終了、翌19日はホテルをチェックアウトしフランクフルト市内を見学してから飛行機でフランスのパリへと移動しましたが、シュツットガルトに別れを告げるのが名残惜しかったです。
6月18~19日のダイジェストはこちらをクリック

11年ぶり通算4度目のドイツでしたが、今回とても自然環境に配慮している国だと感じました。賑やかな市内の繁華街でもゴミ一つ落ちていないし、しはっきり言って日本の方が余程汚いです(笑)。日本がゴミだらけなのは「インバウンドの副産物だ」とあたかも他国から来た人の責任のように言う人がいますが、ドイツにだって様々な国の人が訪れているわけで、やはり日本人のマナーやモラル低下が原因ですね。

シュツットガルトでは常にローラン・ボックの事が頭から離れなかった私、旅行2日目だったか市内を歩いていたら時、ボックによく似た人を見かけギョッとしました。
えっ、まさかご本人!?考えてみればボックはシュツットガルトでご健在なので偶然の遭遇も全くあり得ない話ではありませんが…ただ、車椅子を使用と聞いていたのに普通にすたすた歩いているし、近くでよく見るとやはり別人でした(笑)。

次回はフランス・パリ編に突入します。

(次回へ続く)