FILE No. 854 「社長一人責任論」
「社長一人責任論」
以前にビッグモーターの(前)社長の言葉をご紹介しましたが、今回は新聞に掲載されていた、100円ショップのダイソー(大創産業)創業者、矢野博丈氏のお話から抜粋…ってビッグモーターと並べられるとダイソーさんから怒られそうですが(笑)以下、産経新聞9月5日連載記事の要約です。
「社員とコミュニケーションを取る方法として経営者が毎日朝礼を開いて長々と話をする会社があるが、私は定例の朝礼をやらなかった。朝礼の最後に「一言お願いします」と話を振られるのが嫌だったと言う理由もある。だが、毎朝お題目を並べたところで誰が耳を貸すと言うのか?その時間を皆で掃除する方に回した方が良い。
どうしても伝えるべき事があるなら、その時に社員を集めれば良い。社員は「何かあったか」と耳を傾けてくれるだろう。社訓の類も作ってこなかった。そんな事で経営がうまくいき不祥事が起こらないのであれば誰も苦労はしない。
経営会議も開かなかった。経営上の重要な事は社長が一人で決断しなければならない。
会議なるものは皆で決めたように体裁を繕うものであり、社長の逃げだと思う。
勿論売上高が5千億や1兆円を超えるような大企業ともなれば社長の目が届かない情報を会議で吸い上げる必要もあろうが、大抵の企業なら十分目が届くはずだ。
また、会社が大きければ大きいほど社長が細かく口を挟み過ぎるのも宜しくない。
重要な決断をした後の事については他の役員に任せておけば良い。
勿論、社長の決断が間違いで失敗に終わる事もある。その時の「言い訳」も併せて考えておかあければならないが、一人で決断する「怖さ」を積み重ねる事で社長は成長する。
他社の社長から企業経営について相談を受ける事も多くなったが、必ず「そりゃあ自分で決めなきゃ」と答えている。繰り返すが、経営は「経験の科学」だ。社長は自ら決断し、結果を受け止めると言う経験を積み重ねる事でさまざまな事態に対処出来るようになる。
(中略)「電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのも社長の責任」の「社長一人責任論」、会社の業績が悪いのは社員のせいでも景気と言った外部環境のせいでもない。
全て社長が悪いと思えるぐらいの強い責任感がなくて、どうして社長が務まるのか!
私に社長交代する時、うちの親父(会長)に引導を渡された前社長が「会社の業績悪化は世間の景気が悪い、わしの言う事を聞かない社員が悪い、わしの責任じゃない」と開き直った話を思い出し思わず笑ってしまいました(苦笑)。とにかく経営者の資質が無い人は絶対社長にしてはいけないと言う事です、ハイ。
もっとも、私が社長になった当初は当の会長も頭を切り替えてくれなくて苦労しました。
親からすれば子供はいつまで経っても頼りなく見えるものなのはごもっともですが、社長を飛び越えて次々と現場に口を出し、社内に会長と社長、二つの指示命令系統があるような状態となり、しかもそれがことごとく滑って後始末の責任だけが私に回って来るので嫌になりました。社内でも、これからは新社長の方針に従うのが当然と頭を切り替えてくれたスマートな社員は良いのですが、一部の役員(日本プロレスで言うところのダラ幹!笑)は「(社長が何を言おうが)会長の決裁は取った」を錦の御旗として暴走、失敗したら知らぬ顔の半兵衛を決め込むのですから非常にたちが悪かったです。
この頃の辛い経験があるので、いつか私が次の社長に交代した時は相談には乗ってやっても、最終的な決断は全て自分でするように指導したいと思っていますが、同業の社長の中には早くに父親を亡くされ社長を引き継いだ方もいらっしゃるので、そう言う方たちは必ず「例えどんなに口やかましくても親父に相談出来るのは羨ましい」と口を揃えます。
しかしダイソーの矢野氏の言葉通り、一人で決断する怖さの積み重ねこそが社長の修行なのでしょう。
色々な案件を経営会議、役員会議の出席者の多数決で決めている会社もあるようですがそれこそ愚の骨頂、そもそも多数決で物事が決まるなら名目だけの社長など要りません。
それにこういう場合は「皆で決めたのだから」と誰も責任を取らないものです。
前述のように私も社長になったばかりの頃は会長やその取り巻きだった一部役員に遠慮があり、自分にとって不本意な事も事後承諾させられる事が多々ありましたが、結局は後悔する事ばかりでした。こんな時はいつも「ウルトラセブン」第26話(超兵器R1号)のモロボシ・ダンの台詞、「やっぱり僕は何としても止めるべきだった!それが出来たのは僕だけだったのに…」を思い出したものです(苦笑)。
他の事は譲って(任せて)も社長が絶対に手放してはいけないのが決定権、そして決定する人は一人で良し、勿論その為には社員や現場の話をよく聞き情報収集が欠かせません。
私も会議は好きではありませんが(苦笑)その為の会議なら歓迎です(ほんとかよ!?笑)。自分で決定した事は全て自分の責任、そして業績が悪いのも、人が辞めるのも、台風が来るのも、インフルエンザが流行るのも全て社長の責任(涙)、常にその覚悟で社長業に励みます。
定例のビジネスネタはこれぐらいにして(ああ今日もよく働いた!笑)ここからはプロレスの話、8月第1週は新宿の京王百貨店で開催されたアントニオ猪木展を見学、週末5~6の土・日はアイスリボンの2連戦を観戦しました。
5日のアイスリボン道場マッチ後は水道橋のプロレスショップでメキシコから来日のダーク・シルエタの
イベントに移動、当初は写真だけ撮ってすぐ帰るつもりが主催の泉井さんに引っ張り込まれて?結局イベント後の中華屋での食事会にまで付き合わされました(笑)。
翌6日は東京スカイツリーの真下でアイスリボンの入場無料イベント試合、12時と15時半の2回公演で対戦カードは選手入場までわからない仕組みでしたが、杏ちゃむちゃんはダブルヘッダーと聞いていたので応援に駆けつけました。
2部のセミファイナルには前日に続きダーク・シルエタが登場、試合中に突然雨が降り出しましたが見事来日初戦を勝利で飾りました。さていよいよ杏ちゃんのメイン!しかし雨がますます激しくなりここで無念の中止が決定しました(涙)。
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次回もあまり思い出したくない猛暑が続いた8月ネタです。