FILE No. 933 「チャンピオンベルト(5)」~天龍源一郎編~

「チャンピオンベルト(5)」~天龍源一郎編~

月イチペースで開催の天龍さんの独演トーク、当初は皆勤賞だったものの昨年後半は他とのバッティングで不参加が続き、今年の1月に久々に参加出来ました。
実はこの日も裏ではアイスリボン道場で杏ちゃむちゃんの試合があり、直前まで迷ったのですが…今回はお題が「チャンピオンベルト」とあってこちらを選択しました。
毎回MCを務める鈴木健さんの調査によると“ミスタープロレス”が現役時代に獲得したタイトルは以下の通り…私も改めてこんなにあったのか!?と驚きました。

NWAミッドアトランティックタッグ、UNヘビー級、PWFヘビー級、 インターナショナルヘビー級(*単独での奪取ではなく三冠の一つとして) 
三冠ヘビー級、インターナショナルタッグ、PWF世界タッグ、世界タッグ、アジアタッグ、NWA世界6人タッグ、WAR世界6人タッグ、日本J1 
IWGPヘビー級、IWGPタッグ、WMGタッグ、ハッスルスーパータッグ

貴重な写真、ミスターフジとのコンビでミッドアトランティックタッグ王者に

トークは各タイトルを年代順に鈴木健さんが紹介、天龍さんがコメントする形で進みましたが、代表的な物をいくつか紹介しましょう。
アメリカ修業時代の天龍さんがミスターフジとのコンビで奪取したのがNWAミッドアトランティックタッグ王座、天龍さんにとっては記念すべきプロ入り初タイトルです。
(81年2月7日ノースカロライナ州グリーンズボロ)
天龍さんの記憶によればフジとのコンビで2度目か3度目の挑戦で悲願達成、「おかげでそれまで自炊生活だったのがようやくデニーズに行ける身分となった。」
ベルトを奪った相手はデユーイ・ロバートソン(後のミッシング・リンク)とジョージ・ウェルズで、天龍&フジ組はその後16回の防衛に成功したと言うから立派なものでしたが、同テリトリーはWWF(現在のWWE)の全米侵攻により85年に崩壊、同王座も消滅しましたので、天龍さんは歴代王者の中で唯一の日本人となりました。

凱旋帰国して全日本プロレス“第三の男”として大躍進した天龍さんはプロ入り初のシングルベルト、UNヘビー級王座を獲得しました(84年2月23日 蔵前)。
天龍の代名詞となったUNは娘の紋奈さん曰く「父が唯一家に持って帰って来たベルト」、やはり天龍さんには最も思い入れのあるベルトだと思います。
昭和の全日本プロレスにはこのUN王座の他に、ジャイアント馬場の象徴だったPWFヘビー級、同じくジャンボ鶴田のインターナショナルヘビー級がありましたが、88年頃から果たしてどの王者が最強なのかを決めるべきと言う三冠統一構想の機運が盛り上がって来ました。当時の王者である鶴田、天龍、スタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディらの間で何度かダブルタイトル戦やトリプルタイトル戦が実現、平成に突入した89年にとうとう三冠統一王者が誕生しました(4月18日大田区体育館、三冠としての初代王者は鶴田)。もっとも当時者の天龍さんは「それぞれのベルトに歴史があるのに何故統一するんだろう?」と素朴な疑問を感じていたとの事ですが、その天龍さんが初代王者の鶴田を倒し第2代王者となったのが有名な6月5日の日本武道館、この時天龍さんは「三冠のベルトは東京ドームより重い。」の名言を残しました。

天龍さんはこの10年後に新日本プロレスでもIWGPヘビー級王座を獲得(99年12月10日大阪)、21世紀以降には何人か誕生しましたが、この時点で歴史ある新日本&全日本の両メジャー団体の最高峰を制したのは天龍さんだけでした。
さらに言えば天龍さんは全日本で世界タッグ王座(インタータッグとPWF世界タッグを統一して誕生)、新日本ではIWGPタッグ王座も獲得しており、両団体の頂点を制し文字通りのグランドスラムをやってのけました。インタータッグ、PWF世界タッグ、そして世界タッグ、パートナーはジャンボ鶴田から始まり天龍革命後は阿修羅・原、そして原が引退した後はスタン・ハンセンに代わりましたが、やはりベスト・パートナーは原でしょう。また、IWGPタッグの時のパートナーは越中詩郎でしたが、越中も全日本出身なのでこのコンビで新日本の頂点に立った時は感無量だったそうです。

全ては紹介出来ませんが両メジャー以外でも様々なベルトを獲得した天龍さん、WARで王座決定戦をやって初代王者になった日本J1は力道山が所有していた日本ヘビー級王座を使用したものでしたが、これ一回きりで終わってしまいました(苦笑)
すっかり忘れていましたが、WJ(ワールドジャパンプロレス)で長州とのコンビで王者となったWMGタッグ王座決定戦は大阪の試合で、私は観に行っていました(2003年8月21日)。まさか2000年代にこのチームの王者姿が観られるとは、と少しウルッと来たものです。

天龍さんの代名詞はやはりUN

後はハッスルのベルトですか、まあこれも形を変えたプロレスの一種と言う事で(苦笑)…。
今回も時間はあっと言う間に過ぎ去りタイムオーバー寸前、ツーショットタイムではやはり天龍さんと言えばこれ、久々にUNベルトのレプリカを持参し撮影させて頂きました。

それにしても選手によるチャンピオンベルトに特化したトークは楽しい、それもこれも天龍さんの輝かしい実績があってこそですが、ご健在な方で天龍さんと並ぶチャンピオンベルトホルダーと言えば藤波辰爾さんしかいません。しかも藤波さんの場合今も現役、実際ここ数年もインディ団体でベルトを獲得しており、まだ記録を更新しそうです。今度は藤波さんのベルトトークを拝聴したいものです。