FILE No. 956 「シュツットガルトの惨劇(9)」

「シュツットガルトの惨劇(9)」
(前回からの続き)
6月19日、シュツットガルトを後にしてフランクフルトの市内を見学、夕方の飛行機で花の都、フランスのパリに到着しました。
翌20日は終日、2年に一度開催される国際航空宇宙ショー(パリエアショー)を見学、不純な心の持ち主である私にはメフィラス星人の声は聞こえませんでした(わかる?)(「ウルトラマン」33話「禁じられた言葉」より)
旅行主催者が朝10時の入場から夕方まで見学時間をとってくれていましたがあまりの暑さと日差しの強さに私は2時間程でギブアップ(大阪万博と全く同じ状況 笑)、参加者のお一人と一緒にタクシーでホテルまで引き上げ休養していました。
猪木啓介さんの教え通り(File No.939 参照)毎日2Lの水を飲むのが信条の私でしたが、ドイツではホテルの近くに水を買える場所が少なく達成出来ていませんでした。しかしここのホテルはロビーにウォーターサーバーが設置されており、水筒や空のペットボトルを持参して無料で自由に給水し放題の嬉しいサービスあり、流石フランスはミネラルウォーター大国です。
最終日の21日はパリ市内観光、定番のエッフェル塔や凱旋門などを訪れ、百貨店で買い物のあと空港へ、19時半のANA機に搭乗して22日、夕方16時に無事羽田に帰還しました。私はそこからさらに18時の飛行機で伊丹経由でくたくたで帰宅、勿論翌日から出社しましたが一週間近く時差ボケで眠れぬ夜が続きました。
(6月20~21日のダイジェストはこちらをクリック)
長年の夢であったドイツ・シュツットガルトを訪れる事が出来た素晴らしい旅でしたが、今回の主役、ローラン・ボックは今から4年前に本国で自伝を出版しています。この日本語版をどうしても出版したい!と私の知人でもある沢田智さんと言う超マニアが自ら日本語に翻訳、出版の為のクラウドファンディングを敢行しました。
私もイベント会場で宣伝用チラシを配布したり、片っ端から知人にお願いとささやかながら協力させて頂きましたが、期限目前になっても目標金額の半分以下の数字だったので(やはり今更ボックに興味がある人なんてごくわずかなんだな…)と正直淋しい諦めの心境でした。しかしマニアの団結力は凄い?土壇場になって驚異的な激しい追い込みで目標金額をクリア、それも達成率が120%にまで達したおかげで急遽ハードカバー(上製本)で出版出来る事になったのです(涙)!
奇しくもドイツ行きの飛行機の中でその沢田さんから業務連絡のメールが届いたので「実は今、シュツットガルトに向かっているところです。」と返信するとひっくり返るぐらい驚かれていました(笑)。
そしてタイミング良く、このブログを書き終えるタイミングで完成した本が届き、じっくりと拝読しました。
この8月に81歳となったボックは現在はシュツットガルトで静かに余生を送っているそうです。プロレスラーとしてのキャリアは9年ですが真の全盛期はわずか数年(73年のデビューから交通事故に遭う79年ぐらいまでと言って良いでしょう)、日本でも14試合しかしていない“幻の強豪”ですが、日本のマニアがいつまでもボックの事を忘れないように、ボック自身も日本に特別な思いを持っていてくれている事が著書からも伝わって来ました。
来日はもう難しいかもしれませんが、“地獄の墓堀人”のご健勝を心より願っています。