FILE No. 978 「利益の積み重ね」

「利益の積み重ね」

弊社の第52期もあと一か月で決算を迎えますが、前期と比較すると売り上げこそ微増なものの目標予算には届かず、そして肝心の利益はかなり落ち込んでいます。
最も大きな理由は販管費増、特に我々の商売で最も比重を占める経費である人件費や物流費が軒並み高騰している事が利益を圧迫している最大要因です。

昨年、社員に売り上げに対する物流費の割合をシビアに調べさせたら15%もかかっていて愕然としました。私がタミヤに入社した頃、いや社長になって暫くの間も物流費は大雑把に7~8%ぐらいの認識でした。
物流費と言っても厳密には仕入れた商品在庫を倉庫に保管し、それをピッキングする庫内経費、トラックでお得意先に運ぶ配送経費に分かれますが、一昔前は前者が3~4%、後者も4%でした(それで合計7~8%)。だから在庫を置いて運んでも粗利益が15%もあれば十分利益が出たのです。物流費が15%とかつての倍にまで膨らんでいるのですからいつまでも過去の感覚を引きずっていたら大赤字ですよ(涙)。

もう30年近く前の話、シーピー化成(当時は未だ中国パール化成だったか)の河上さんとある商品の価格交渉をしていた時、本気半分冗談半分で「マージン25%は欲しい」とお願いしたら「取り過ぎです!」と絶句されたものでしたが(爆笑)マジで今なんてそれぐらい貰わないとやっていられないですよ。
会社には物流費以外にも営業や事務の人件費、我々のお安い(苦笑)役員報酬、事務所の家賃や水道光熱費、教育費、宣伝広告費、接待交際費…etc様々な経費がかかっているので物流費だけがペイ出来てもただ働きと変わりません。この物流費以外の販管費を便宜上本部費と呼ばせて頂きますが、これが売り上げ対比で約3%、つまり15+3で最低18%が損益の分岐点です。さらに粗利益18%では必要経費を払っただけで終わり、手元に利益は残らないので、せめて3%利益を出そうと思ったら21%が絶対必要なのです。
勿論合理化や効率化による物流費の削減も課題ですが、これらは従来からやり続けており、最早一企業の努力だけでは限界です。

今回は問屋の企業秘密?大公開(同業の連中、これ読んでしっかり勉強しろ!爆笑)…もっともこんなの釈迦に説法、何処も似たようなものでしょうね(笑)。
中には一部未だに一昔前の手法、「うちは〇%で出来ます!」なんてセールストークをやっている商売敵もいるようですがそんなの真っ赤な大嘘(笑)、本部費を無視して営業が赤字被っているだけですよ(笑)。
早速粗利益が21%以下の商売(実質赤字か利益が無い商売)を得意先別&商品別に抽出させたら実に約4500行もありました(苦笑)。
尚、今回書いているのはあくまで我々が在庫した商品を配送している場合の話です。

もう一つ我々の依頼によってメーカーが直接お得意先に商品を送る、いわゆる直送商売と言うのがありますが、こちらははっきり言って儲かります。メーカーから別途運賃の請求が来る為それはこちら側が負担しなければなりませんが(商品原価にONして売価設定します)例えばマージンが10%しか無くても物流費が0なので本部費3%を差し引いても7%が手元に残りまるまる純利益となります。だから直送が可能な商売に関しては極力自社物流を使わないのが利益を増すコツです。
因みに我が社の売り上げの中で直送商売の占める割合は約3割、直送商売で儲け、自社物流商売では持ち出しが多いと言うのが我が社の実態のようです。以前協同組合ジェプラの集まりで直送が3割の話をしたら各社から「えっ、そんなにあるの?」と言われこっちが驚きました。やはり同業者は自社で在庫して配送する事へのこだわりが強いようです。

それはともかく、前述の約4500に関しては年明けより少しでも改善するように大号令をかけました。これを書いている1月中旬の時点で結果がどうなるかはわかりません。
結局方法としては (1) 売価を上げる。 (2)仕入れ単価を下げる。 (3)商品を入れ替える。いずれかしかないし、今の御時勢はどれも至難の業、一朝一夕で解決できない問題である事は私自身が一番わかっています。
それにLOT、つまり大きな売り上げの場合、それを失う覚悟でアクション出来るかとなるとどうしても躊躇してしまいます。薄利多売と言う言葉があるように、例え利益は薄くても大きな売り上げであれば積み重ねにより利益が増すと言う考え方も出来ますが、それはあくまで薄利、少しでも利益がある場合に限ります。もしこれが10%しか粗利益が無ければ物流費に15%かかった時点で△5%の赤、しかもなまじLOTが大きければその分赤字が嵩む事を肝に銘じなければなりません。
あとは単品で見ると赤字であっても他の利益商品を抱き合わせる事によって黒字にすると言う場合もあります。スーパーマーケットなど小売業の商売がまさにそれで特売広告の品は原価すれすれか赤字覚悟で集客し、あとはいかに利益商品を買ってもらうかが生命線です。
因みに「〇〇(赤字商売)をやる事によって△△(利益商売)が獲れます。」こんな言葉で営業が会社を説得するのは何処にでもありがちな光景ですが私は基本的に信じていません。
何しろサラリーマン時代にその嘘を散々ついて来たのが私自身ですから(爆笑)。

厳しい市況の中、今回の取り組みがどのぐらいの利益改善に繋がるかは不透明ですが、例えば一つの商売で月に5000円のコストダウンが実現すればそれはそのまま純利益となり、我が社の現在の純利益率(2%強)で換算すれば25万円の新しい売り上げを作ったのと同等の効果をもたらします。しかも我々は基本的にリピート商売なので年間にすれば売り上げ300万円、利益6万円に匹敵するのでやはりこれは大きいです。
我々の商売は小さなものの積み重ね、そして利益は常に目の前にあり、社員にはこの事を忘れないで貰いたいです。

今回は珍しく?お堅い話で肩が凝りました(笑)、最後のおまけは12月前半のプロレスネタです(こちらをクリック)。