FILE No. 1012 「理想と現実(2)」

「理想と現実(2)」

(前回からの続き)

1992年(平成4年)に包装タイムスに掲載された我が親父殿のインタビュー記事(File No.1011 参照 今一度再読のうえ戻って来ましょう。)は、当時リスパックの社員だった私も拝読しました。
後輩社員から「田宮さんって凄い会社の息子さんなんですね~。」と冷やかされましたが(笑)
私も(親父の会社ってそんなに進んでいるのか!?)と驚いたものです。
その頃はリスパックもまだまだ下町のいわゆる“父ちゃん母ちゃん”レベルの包材屋さんとの直接取引が数多くあり(現在は全て大手一次卸に集約)電話注文も日常茶飯事、また、かなりの大手も含めて集金に行かなければならない先も多数ありました。
小口の得意先の大半は私の担当先、何しろ駄目営業だったので(笑)大手の問屋など担当させてもらえなかったからです(苦笑)。毎日小さな問屋さんを回る日々だったので余計にその記事にカルチャー・ショックを受けました。

記事中に建設中とあるのが現在の本社及び物流センターですが、この約一年後、1993年(平成5年)の4月に私はリスパックを退社し5月にタミヤに入社しました。
いざ入って見ると確かに営業部門と配送部門は分離していましたが、実際には欠品や誤納品など様々なイレギュラー、一部お得意先の我が儘に振り回されたりと、営業が商品を持って緊急納品に走る事が日常茶飯事でした。某コップ屋さんの名言「モノを持って走るのは包材屋の基本」をまざまざと実感したものです(笑)。
集金先も数多く(それも小さな金額)これではスナックのママと変わらないレベルでしたし、大口得意先とはEOS(オンライン)を結んでいたものの、これもあって無いようなもので締め時間外のFAX発注が常態化していました(そのくせEOS使用手数料だけはちゃっかり払わされる)。電話発注、もっと酷いのになるとこちらから注文を取りに行かなければならない先も存在しており(お~い、うちの営業は注文も取らなければ配達もしない、集金にも行かないんじゃあなかったのかよ!?)と新聞記事とのギャップにツッコミどころ満載でしたよ(笑)。
これでは私が東京時代に回っていた客先の規模を少し大きくしただけでしたが、今思えばあのインタビューは親父殿が理想とした包材屋の姿だったのでしょう。
理想の実現の為資金を投入し本社及びセンターを移転、営業と配送を完全に分ける商物分離の体制を整えたものの、まだまだ現実が追いついていなかったのです。
あれから33年、現在は私が知る限り営業が配達に行く機会も激減(イレギュラーもまれにあるのでゼロとは言いませんが)集金などの業務も無くなりました。
記事の中で「10000アイテムを4000まで集約」と書かれていますが、調べて見ると現在の本社のアイテム数は3600~3700の間で推移、但しこれにはカラクリがあり、現在は本社だけでは置ききれず2か所別倉庫を借りており、こちらにも1000アイテム前後、さらに我々が在庫を持たず容器メーカー(エフピコ)にピッキングをお願いしているアイテムも同じぐらいありますのでトータルで5~6000アイテムと言ったところでしょうか。

まだまだ我々の業界も遅れていますので、令和の現在でも包材屋が得意先の在庫を管理、棚卸までやってあげるなんて事例もあります。特に田舎、あわわ地方に行くとそう言うサービスを売りにしている同業が多いようです。勿論地域によって商売の仕方が違いますのでそれを否定するつもりはありません、ただうちには出来ないしやらないだけです。
昔、ある小さなスーパーの社長から「他社は注文を取りに来てくれるし在庫管理までやってくれて楽で便利だからそちらから買う。」と切り替えられた事がありましたが深追いせず素直に撤退しました。
それだけの人手をかければ同じ事は可能です。しかし何処の会社だって儲けが無いと成り立たないのですから、結局かかった経費は商品価格に反映されるだけなのは子供でもわかる理屈です。これだけ皆がコストにシビアになっている時代にわざわざ高い買い物をしていて良いのか?社長自らがそんな考え方で生き残れるのですか?と聞きたくなりました。案の定、その会社は数年後には潰れてしまいました。そこだけでなく、そういった会社はことごとく生き残れず淘汰されたのをこの30年間見て来ました。
お客様にとっての真のメリットは何か?それは成長の為のお手伝いをする事であって、決して注文を取りに行ってあげたり棚卸しをしてあげる事ではありません。

理想と現実のギャップを埋めるのに33年かかりましたが私に言わせればそれでもまだまだ、実際に現在の営業は注文は取らなくて良い、集金に行かなくて良い、パソコンやスマホはある、昔と比較すれば格段に効率は上がっているのですからそれこそもっともっと新規開拓を含めた提案営業、利益を生み出す活動に注力しなければなりません。
それが出来なければそれこそ“給料泥棒”(今の時代は禁句!?)(笑)と言われても仕方ありません。

お客様と共に繁栄出来るベスト・パートナーとなれるよう、これからも努力していきます。

最後の付録は8月前半~中盤のダイジェストです。
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