FILE No. 881 「給食の時間(2)」

「給食の時間(2)」

(前回からの続き)

幼少期は偏食が酷かった私、実は牛乳も駄目で幼稚園では私だけ特別にコーヒー牛乳を飲んでいました。当番が牛乳を運んで来る時、白色の中に1本だけ茶色が混ざっているのであれは自分の分だとすぐにわかったものでしたが、小学校ではそんな特別扱いもありません。
よく「ごちそうさまでした。」の合図とともに上着で隠すようにしてトイレに駆け込み流していましたが、不思議な事に牛乳は自然に飲めるようになり、今も大好きです。
乳製品と言えば給食に何度か固形チーズが出て来ましたが、クラスにこれが大嫌いな子がいました。給食の時間が終わりいつも居残りは私一人なのにこの日はその子と二人で、私はおかず、その子はチーズとにらめっこしていました。
私は珍しく?チーズは好きだったので二人で相談、先生の目を盗んで私がチーズを、彼が私のおかずを食べる物々交換作戦で切り抜けました。
毎日給食を残していた私が言うのはなんですが、食べ物を粗末にしない教育はとても大切な事、当時の学校もその精神を教えようとしていた事は今ではよくわかります。
だから自分が苦手なものは他の子が食べてあげるような指導をもっとすべきだった思います。現代ならまたPTAの馬鹿親どもが不衛生だとか(特にコロナ以降)騒ぐのでしょうが…。

給食に関する辛い思い出は尽きません。ある時など例によってホームルームの時間になっても私の机の上にはおかずが残ったまま、このままだと帰らせて貰えないと切羽詰まった私は、わざと肘だか腕に当たったふりをしておかずの入った容器を床に落としました。
しかし子供の哀しい猿芝居などミエミエ(笑)、デカパン先生に「あんたわざとやったやろ!」とこっぴどく怒られ、クラスメイトからも後々からかわれ虐められました。だから子供をそこまで追い込むなっつーの!!
昔は女性教師でも体罰など当たり前、給食には関係ありませんが、私が授業中に悪ふざけをしてデカパン先生から殴られた事がありました。その時のデカパンの台詞が今でも忘れられません。「この給食も食べられんもんが!」それ、今関係ねえだろ(爆笑)。

一時は自殺まで考えた苦痛な給食タイム、しかし高学年になるとこちらも段々と悪知恵が発達して来ました(笑)。
当時のメニューはパン、おかず(これが不味い!)、牛乳、後はたまに固形チーズや魚肉ソーセージ等の副菜、デザートとして缶詰めのフルーツが付いてくるという感じでしたが、とにかく私にとってのネックは主菜のおかずでした。
実はパンは残して家に持って帰っても良かったので、残したい子は家からポリ袋やビニール袋を持参していました(包材屋なので家に沢山あった 笑)。
そこで私がやったのが給食の時間が始まるとスプーンの柄の部分でコッペパンやブドウパンの真ん中に筋を入れてパカッと二つに割り、ホットドッグの要領で無理矢理おかずを流し込み、給食の時間が終わるとそのまま袋に投入、勿論家に持って帰らず、帰宅途中でゴミ箱に捨てていました。
こうしてようやく給食の時間のストレスから解放されましたが、今も不思議なのはおかずは食べない、おかずを残す為に使うのでパンもせいぜい一口ぐらいしか食べない、後は牛乳&フルーツのみでよくお腹がすかなかったと…空腹で苦しんだ記憶は全くありませんが、そのせいか子供の頃はがりがりでしたよ(笑)。

後年、「3年B組金八先生」を観ていたら子供の頃の私と全く同じ、教師が生徒に苦手な食材を無理に食べさせようとするシーンがあり、そこで金八先生が歴史に残る名セリフを吐いて目から鱗が落ちるところでした。
「そんなねえ、嫌いな物を無理に食べたってストレスが溜まるだけで栄養になんかなりませんよ!」 金ぱっつぁん、あんたは名教師だ(涙)! 
当時、このセリフを私がデカパン先生に言えていたら…「生意気言うな!」とまたぶん殴られていたでしょう(爆笑)。
でも真面目な話、子供は成長するにつけ自然に何でも食べられる(食べれるは間違い!)ようになるもので、私もいつしか肉も野菜もOKになっていました。
因みに肉を食べるようになったのは少年ジャンプで読んだ「ど根性ガエル」でひろし(主人公)が町に初めてできた焼き肉屋(当時まだ珍しかった)に連れて行って貰うエピソードの影響(笑)、野菜は5年生の時家庭科の実習でサラダを作ったのがきっかけでした。
改めて子供に嫌いな物を無理強いしてはいけません、私の玉ねぎのように一生のトラウマになってしまうからです。

怒られた思い出ばかりのデカパンこと松浦高子先生ですが、今では懐かしく、もしご健在ならお会いしたいものです。玉ねぎが食べられない身体となってしまった恨み言の一つでも言いたいところ(笑)、それは冗談ですが先生も私たち生徒一人一人の名前などは覚えていないにせよ、愛媛から出て来て教師になって初めて受け持ったクラスですから印象に残っている事でしょう。実は先生にとっても、そして私たちにとっても絶対に忘れられない事件があったのですが、その事についてはいずれまた触れたいと思います…。
と言うわけで、デカパン先生、このブログを目にしたら是非ご連絡お待ちしています(笑)。

これも随分以前にテレビのドキュメンタリーで視聴したのですが、昔から給食費を支払わない親が多く、学校側の大きな負担になっているそうです。
子供に罪はありませんが、厳しい言い方をすればこんなの食い逃げと同じ、払わないガキには食べさせなきゃ良いのに、とも思ってしまいます。むしろ払わない家のガキに限って遠慮なくおかわりしているかもしれません(苦笑)、そうだ!こういう時こそ皆が残した残飯くわせりゃ良いのですよ(笑)!
給食を殆ど食べていないにも関わらず、私の親は6年間律儀に給食費を払い続けてくれたわけで改めて感謝(涙)、わが母校には出来る事なら昔食べなかった分を、今の美味しそうなメニューで補填して貰えないでしょうか。これから6年間ランチがタダ飯になれば非常に助かります(爆笑)。

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