FILE No. 899　「科学冒険隊タンサー５」

「科学冒険隊タンサー５」

今回は久々に誰も知らないＢ級マイナー作品の紹介ですが…ここ最近、このコーナーで紹介した作品を振り返ると「スクール☆ウォーズ」（File No.871 参照）、「マタンゴ」（File No.875 参照）、最新作の「アイアンクロー」（File No.884 参照）と、「誰も知らない」どころか「誰もが知っている」（？）メジャー作品ばかりじゃないですか（苦笑）。
これは私らしくないので今回は原点回帰、本当に誰も知らなそうなどマイナー作品を投入、１９７９年から翌８０年にかけて東京１２チャンネル系で放映（全３４話）のＳＦアニメ、「科学冒険隊タンサ―５」の登場です。
これは相当のマニアでないと知らない事でしょう。当時大阪では日曜日の朝に放送されていて（ウイキペディアに載っている放送局リストからは何故か漏れている）中学生でウルトラシリーズのマニア化驀進中だった私はその流れから毎週欠かさず観ていました。

「１９９９年（放送当時の２０年後）、国連の要請で特設された、現代科学の最先端をゆく頭脳を集めた科学基地アクアベース、そこに地球に残された貴重な遺跡や遺産、生物のガードを使命とした特殊科学捜査隊タンサー５があった。勇気と行動力、科学的能力を兼ね備えた５人の若者たちは今日も世界各地の遺跡で起こる怪奇な事件を解決していく。」（公式サイトの解説を要約）
別途写真のレコードジャケットを見るとお気づきでしょうが、全編アニメーションにも関わらず前述の基地全景やメカニックのシーンのみ実写特撮と言う不思議な作品で、私はいつも特撮シーンに注目していました（最も毎回一度撮影したシーンを再利用するライブフィルムでしたが）。
設定は壮大、しかしこう言ってしまうと身も蓋もないのですが、ぶっちゃけストーリーはそれほど大した事なし（ファンの人がいたらすみません！！苦笑）、それでも私が毎週観ていたのは主題歌「タンサー５のテーマ」が素晴らしかったからです！
「高く高くスカイタンサー、遠く遠くランドタンサー、深く深くアクアタンサー、タンサー５…♪」（歌のサビの部分）本当にかっこよくて当時レコードまで買ってしまいました。今でも動画サイトなどで視聴可能につき、ここで読者の皆様は一旦このサイトから離れ、まず曲をお聴きください。それもテレビバージョン（１番のみ）ではなく絶対フルバージョンでお願いします。それからこの文面にお戻りください。
歌っているのはビリー山口さんと言う方ですが、とにかく声がかっこ良くてしびれます。

しかもこの美声何処かで聞き覚えが…そう、俳優の上條恒彦さんの声とそっくりなのです。えっ、上條恒彦を知らない！？「３年B組金八先生」（奇しくもタンサー５とほぼ同時期放送）の服部先生と言えば私と同年代の方はわかるでしょう。
とにかくどう聴いても同じ声なので私は何十年もの間「タンサー５」を歌っているビリー山口は上條恒彦さんの変名と信じていました。ネットでも二人を同一人物とした記述を見た事があり、世間にも同じように思っていた人が多かったようです。
しかし近年、これは全くのデマで、ビリー山口の正体は山口琇也さんと言うミュージカル業界ではかなりの巨匠の方だと言う事が判明しました。
つまり上條恒彦さんは全く無関係だったわけですが、これまたネットで「山口氏は上條恒彦さんの歌稽古を行っており、声質が似ている点はお互い認め合っていた」なる記述を発見しました。もしこれが本当なら元々声が似ているところにさらに磨きがかかったと言う事でしょうか、出来れば上條恒彦さんが歌う「タンサー５」を聴いてみたいです（笑）。

余談ですが、近年になって私、このビリー山口さんこと山口琇也さんの声を何十年も身近？で聴いていた事を、プロレステーマ曲研究家のコブラさんにご教示頂いて知りました。
阿修羅・原（故人）のお馴染みのテーマ曲「阿修羅」、冒頭の「アシュラ～！アシュラ～！…♪」が凄まじいインパクトの名曲ですが、この声こそ山口さんだったのです！

レコードも持っているし（入手したのは８０年代）会場＆テレビ中継その他でそれこそ数えきれない程耳にしていたのに「タンサー５」と同じ人と気が付かないとは不覚、まさに「燈台下暗し」でした。
「阿修羅」が会場で使われだしたのは原選手が国際プロレス時代の７９年なので「タンサー５」とほぼ同時期、しかも両曲とも演奏バンドは同じミノタウロス、そして「阿修羅」のジャケットにはコーラス、ビリー＆フリーザーの記載が…因みにビリーは山口琇也さんの愛称だったそうです。

「タンサー５」に話を戻すとA面の「タンサ―５のテーマ」も最高ですが、番組ではエンディングテーマとして使われたB面の「わりきれなくて」も非常にユニークで好きです。
以下、歌詞を紹介…。
「９割る３だと割り切れる。１０割る３だと割り切れない。１つ違っただけなのに割り切れないとは割り切れない
＊　何故だ　何故　謎だ謎　何故だ何故　謎だ謎　謎には必ず鍵がある　謎の扉を解く鍵が　タンサ―５　タンサ―５　今日も誰かが謎を追う　タンサ―５　タンサ―５　今日も誰かが謎を追う　＊」

１番もなかなかですが、２番はもっと爆笑モノです。
「ああだと言われりゃ割り切れる　こうだと言われりゃ割り切れない。
　「ああ」と「こう」とはどう違う　どうにもこうにも割り切れない
以下、＊を繰り返し」
テレビでは１番しか流れないので、レコードで初めて２番を聴いた時は（なんじゃこりゃ？）と吹き出しましたよ。私の周りにもすぐにああだこうだと言う“わりきれない”奴がいるので是非聴かせたいです（笑）。皆様も動画サイトでチェックを、勿論フルバージョンで！
　
すみません、今回は作品紹介と言うより歌の話だけになってしまいました（笑）。
この調子でまた誰も知らない作品を発掘致します。

と言うわけで気がつくと来週は記念すべき連載９００回目！　こうご期待！