FILE No. 903 「第3期ウルトラシリーズ(1)」

「第3期ウルトラシリーズ(1)」

「ザ☆ウルトラマン」「ウルトラマン80」生誕45周年記念

8月に、毎年池袋のサンシャインで開催されているウルトラマンフェスティバルに行って来ました。内容自体は展示と舞台、キャラクターグッズの販売などお子様向けなので一度行けば十分と10数年前に訪れて以来ずっとスルーして来ましたが、今年は「ザ☆ウルトラマン」と「ウルトラマン80」の放送開始45周年を記念した一夜限りのイベントがお目当てでした。
何しろ昭和のウルトラシリーズの中でも私が最も思い入れのある両作品、今回は45周年(厳密には79年開始のアニメーション作品「ザ☆ウルトラマン」が今年、タイトル通り80年の「ウルトラマン80」は来年が45周年)を記念してブルーレイBOXの発売が決定し、そのプロモーションも兼ねたスペシャルイベントでチケットは発売と同時に秒殺でした。私は不覚にも出遅れて買いそびれ一度は諦めたものの、そこは強運の持ち主(笑)、チケットリセールで幸運にもゲット出来て無事参加出来ました。

イベント第1部の「ザ☆ウル」編ではヒロインの星川ムツミ隊員の声を担当した島本須美さん、番組後半から登場したゴンドウキャップ(隊長)の柴田秀勝さんが出演されました。
「ザ☆ウル」の主要メンバーは主役・ヒカリ超一郎の富山敬さん(「タイガーマスク」の伊達直人、「宇宙戦艦ヤマト」の古代進など代表作多数)が早くに旅立たれ(56歳没)、それ以外の方も殆どが鬼籍に入られているのが残念ですが、番組のもう一人の主役、ウルトラマンジョーニアスの声を演じた伊武雅刀さんは現在も多くのドラマで活躍中です。

ウルフェスで実現した奇跡のイベント(ファン向けの撮影タイムより)

未だテレビでお見かけすると(あっ、ジューニアスだ!)と思ってしまいますが(笑)いつか伊武さんにもお会いしたいものです。
第2部「80」編ではやはりこの方、主役・矢的猛を演じた長谷川初範さん、城野エミ役の石田えりさん、ウルトラの女戦士ユリアンこと星涼子役の萩原佐代子さんと言う豪華な顔ぶれが揃い踏み、因みに石田えりさんがウルトラ系イベントに出演されるのは初めての事で長谷川さんとは実に45年ぶりの再会だったそうです。

ここで昭和のウルトラシリーズの歴史を簡単に紹介しましょう。

第1期ウルトラシリーズ

「ウルトラQ」 1966(昭和41)年1月2日~7月3日(全28話)

「ウルトラマン」1966年(昭和41)年7月17日~1967(昭和42)年
 4月9日 (全39話)

「ウルトラセブン」 1967(昭和42)年10月1日~1968(昭和43)年
 9月8日 (全49話)

「ウルトラQ」は開始とともに平均視聴率32・4%の人気番組となり(ニールセン調べ、関東地区)空前の怪獣ブームが到来しました。
世間ではよく「ウルトラマンシリーズ」と言いますが、私に言わせればこう呼ぶのはニワカ、「ウルQ」を加え「ウルトラシリーズ」と呼ぶのが正解です。
続編の「ウルトラマン」はさらに人気が過熱し、平均視聴率36・8%、最高42・8%(第37話)の怪物番組となりましたが、怪獣ブームがピークの時にわずか39話で終了しました。本来なら最低でも1年間(約50話)、この人気ぶりなら後の「仮面ライダー」や「マジンガーZ」のように2年放送してもおかしくないにも関わらず、幕を下ろさざるを得なかったのは円谷プロダクションのお家の事情が原因でした。
創業者で特撮の神様と言われた円谷英二の良い作品を作る為には一切妥協しないイズムを徹底したあまり予算も制作日数も遥かにオーバー、とうとうパンクしてしまったのです。
「ウルトラマン」を一旦終了させ、新たに体制を整えるまでのリリーフ役として東映が制作する「キャプテンウルトラ」がスタートしましたが(全24話)、テレビの前の視聴者にとってはこちらも「ウルトラシリーズ」(第3作目)の認識だったでしょう。
「キャプテンウルトラ」終了後は半年のブランクを経て円谷プロ作品が復活、現在もウルトラシリーズ最高傑作と評価の高い「ウルトラセブン」が放送開始し平均視聴率26・5%の人気となったものの、この頃には怪獣ブームも終焉に向かっており、ここでシリーズは終了しました。
昭和40年生まれの私は第1期ウルトラの頃はまだ1~3歳だったので当然リアルタイムで観ていませんが、物心がつく5~6歳頃には夕方の時間帯などに頻繁に行われていた再放送を夢中で観ており、友達とウルトラマンや怪獣ごっこに明け暮れていました。
購読していた幼児向けの学習雑誌「たのしい幼稚園」の誌面もウルトラで埋め尽くされており、おもちゃ屋に行けばソフビと呼ばれるフィギュアなどキャラクターグッズ、本屋に行けばウルトラ怪獣大図鑑と、「遅れてきた子供たち」による第2次怪獣ブームが起こりつつありました。
当然新しいウルトラマンを望む声はテレビ局(TBS)や円谷プロに殺到、かくして私たちの世代のリアルタイム直撃となる、新シリーズの幕開けとなりました。

第2期ウルトラシリーズ

「帰ってきたウルトラマン」 1971(昭和46)年4月2日~1972(昭和47)年 
3月31日 (全51話)

「ウルトラマンA」 1972(昭和47)年4月7日~1973(昭和48)年3月30日 (全52話)

「ウルトラマンタロウ」 1973(昭和48)年4月10日~1974(昭和49)年
4月5日 (全53話)

「ウルトラマンレオ」 1974(昭和49)年4月12日~1975(昭和50)年
3月28日 (全51話)

そして4年のブランクを経て本稿のテーマ、「第3期ウルトラシリーズ」へと繋ぐ事になります…。

(次回へ続く)