FILE No. 943 「炎の飛龍、来社!(2)」

「炎の飛龍、来社!(2)」

今から約30年前の話(確か1994~95年頃)、ある雑誌社から我が社に電話があり、なんと!藤波辰爾さんがインタビュアーとして来社し社長と対談する話が持ち込まれました。
まさに降って湧いたような朗報でしたが、30年前はまだうちの親父が社長で私はまだ入社数年の下っ端の時代、最初に電話を受けた当時の常務が私などに繋いでくれるはずも無くうちの親父に報告、なんと親父は私に一言の相談もせず「興味が無い。」と断ってしまったのです!後でその話を耳にした私は(このオッサン、何考えてんだ!?)と激怒しましたよ。 例え自分は興味がなくても息子がこれだけプロレス好きなのを知っているのに、普通の親ならせめて相談はするでしょう??

2009年ご来社時の証拠写真

千載一遇のチャンスを逃し、今思い出してもむかつく話でしたが、それから15年が過ぎた2009年8月3日、思いもかけず藤波さんが来社してくださいました。
既にその時は私が社長でしたが、その日の朝当時懇意にしていた元新日本プロレスの営業の方から唐突に電話があり「今藤波さんと一緒なので後で伺いますよ。」と言う事でした。翌月に大阪で試合がある藤波さんのプロモーション活動のお手伝いをしていたそうで、真っ先にうちに顔を出してくださったのです。
当時の模様はブログに記してありますので先ずはこちらをご一読下さい。
(File No.121「炎の飛龍、来社!(1)」参照)
その時に私が撮影した、我が社の会長室(今はマイコレクションルーム笑)のソファーでアイスコーヒーを飲む藤波さんの写真をSNSに投稿したところ、藤波さん自身がその写真を何度か使ってくださったのも光栄でした。

その後様々なイベント、藤波さんの奥様がやっている「藤波家の食卓」が百貨店の催事コーナーに出店した時など、お会い出来る機会が飛躍的に増え、有難い事に顔と名前を覚えて頂ける程になりましたが(大阪の猪木信者のハードヨカタと認識 笑)前回の来社から15年の月日が流れた今年、実に30年ぶり、雑誌社から藤波さんとの対談の電話がありました。
実は私が社長になってから何度か(スケジュールが合わずお断りしましたが)やはり著名人が来社し対談する話が持ち込まれました。
確か俳優の村野武範さん(「食いしん坊!万才」、「飛び出せ!青春!」)、そしてもう一度は既に鬼籍に入られましたが藤木悠さん(「Gメン75」の山田刑事、おっと、「ウルトラマンレオ」の大村正司!)だったと記憶します。因みに盟友・某コップ屋さんの会社には佐藤蛾次郎さん(故人)が来社されたそうです。
今や年がら年中お会いしている藤波さんですが、30年前の経緯もありご来社頂けるのは格別の喜び、楽しみに当日を待ちました。

ドラゴン、15年ぶりの登場
先ずは玄関前で記念写真

2月27日本番当日は快晴、朝からソワソワして仕事が手につかず、約束時間より少し早く玄関前で直立不動で待機、待ち人は雑誌社の記者の方の運転する車で現れました。
実は藤波さん自身直前まで何処の会社を訪問するのか知らされていなかったそうで、いつものドラゴンスマイルで開口一番「まさか田宮さんの会社とは思わなかったよ!」
それから記者の方に向かって、社交辞令とは言え嬉しいお言葉「いや~、社長にはお世話になっているんだよ。」 
15年前同様旧・会長室にお通しすると、マイコレクションに驚嘆ししばし見入っていましたが、私がずっと気になっていたのが、そもそも藤波さんが15年前の来社を覚えているかどうかでした。
結論から言うと「えっ、そうだった!?僕、何で来たんだっけ?」と全く記憶になし(笑)、藤波さん程の有名人なら取材&スポンサー筋の挨拶で日本全国数えきれない程の企業を訪問されていますので無理もありませんが、前述の“証拠写真”をお見せして「この場所が今藤波さんが座っているソファーですよ。」と伝えると絶句されていました(笑)。

熱心にコレクションを見学
15年前の写真を提示

一応ビジネス雑誌の対談なので先方からは事前に「包装業界の現状について」藤波さんのインタビューに答える形式と聞かされていましたが、藤波さんが包装資材に興味があるわけないので案の定仕事の話は1割、プロレスの話が9割の展開(笑)、ちょうどその時UWFの特集本を読んでいたので、これまであまり聞く機会の無かった藤波さんのUWF論をお聞きしました。
元々UWFはクーデター騒動で新日本プロレスを追われた新間さんが猪木の受け皿として設立した団体でしたが、
「当時新日本内部にいた藤波さんはUWF誕生の流れをどう見ていたのか?」
「同じカール・ゴッチの弟子でありながら藤波さんは何故UWFスタイルの方向性に行かなかったのか?」
「その後実際にUWFの選手と戦っての感想」…etcを色々とお聞きしました。
私のマニアックな質問攻めが始まると藤波さんは記者の方を振り返り「さあ、始まったよ。」
(爆笑)、それから一つずつ丁寧に答えてくださり、至福のひとときでした。
横で唖然として聞いていた記者さんは対談終了後「これをどうやって記事にしたたらいいんだ?」と頭を抱えていましたので、会社案内をお渡しし「これ読んで適当にまとめてください。」(笑)と依頼、因みにこの記者さん、藤波さんに同行して全国の企業を多数訪問されており、藤波さんとの対談を引き受けるのですから当然プロレス好きの社長さんも多かったそうですが「ここまで凄い人は初めてです。」(笑)。

15年ぶりに同じ場所、同じポーズで撮影

帰り際には藤波さん自ら「社員の方たちと写真とか撮らなくていいの?」(この素晴らしい気配り!)お言葉に甘えて待ち構えていた何人かの社員がちゃっかり記念撮影やサインを頂いていましたが、おまえら一人千円ずつ徴収するぞ、コノヤロー!(笑)。

その後チェックの為ゲラ刷りを頂きましたが対談内容は90%記者さんの創作、こんな事言っていないよ!という内容で大笑い、6月15日付けで無事発行されましたので、是非電子書籍版をご覧下さい。
https://bs-times.com/vol58/5.html

30年前こそ不発に終わったものの15年周期で訪れる藤波さんの来社、次回は是非15年後の2040年にお待ちしています(笑)!