(前回からの続き)
…って何で前回まで(「ロシア最新流通視察」)とタイトルが変わってんだよ!!
と皆さんつっこまないでください。
「木綿のハンカチーフ」(FILE No.158 参照)、「君と歩いた青春」(FILE No.190 参照)、「赤いハイヒール」(FILE No.257 参照)、「九月の雨」(FILE No.293 参照)に続いて太田裕美さんの名曲シリーズ、今回は「さらばシベリア鉄道」の登場です。この曲は松本隆さん作詞、大滝詠一さんの作曲で元々大滝詠一さんのアルバム用に作られたのが裕美さんに提供されたもので1980年にシングルで発売されました。(後に大滝詠一版も発売) 歌の舞台は12月、寒い冬のロシアですが曲調はちょっとウエスタン風な名曲です。私は今年、ナマで既に4回ほど拝聴しております♪
…前置きはこのぐらいで本題のロシア視察の続編です。
第5日目 6月28日(金)
この日の午前中はショッピングモールの視察予定でしたが二日前に突然、日本小売業協会・事務局の近江部長から「実は田宮さんに頼みがあるんだけど…」と言われました。
このモスクワでロシアの流通業界のフォーラムのようなものがあり、急遽そこに出席して日本の小売業の状況についてスピーチしなければならなくなったと言うのです。 で、記録係というか写真撮影要員として私に同行依頼があり、頼まれればNOと言えない日本人、お付き合いさせて頂く事となりました。何しろ特命係はヒマですから(笑)。
当日の朝、近江さんと私と通訳の女性はタクシーでモスクワ市内から30分ほど走り到着したのは自然豊かな公園のような場所(国立公園か?)、その一角にこの日の会場はありました。
10時過ぎに始まった会議、出席は約20名ほどで皆、ロシアの小売業のトップのようです。 ほどなくして近江さんの出番となり、パワーポイントを使って日本語で喋った事を通訳の方がロシア語で伝えるという形で15分ほどで終了となりました。
私は近江さんから預かったビデオカメラを回しながら写真撮影に勤しんでおりました。ロシアの人に日本の小売の状況がどのぐらい伝わったかは定かではありませんが、もし私にスピーチの大役が回って来たら悪がはびこり正論が通用しない?日本の包装業界の実態でもレポートさせて頂きます(笑)。
会議自体は夕方までですが役目を終えた我々は午前中で中座、タクシーで他のメンバーが視察中のメガモールに移動、丁度皆が説明を受けているところで合流できました。
視察後はモール内でランチタイム、働いたお礼にと近江部長が寿司を奢ってくれました(ご馳走様です)。
いや〜、味噌汁飲むと本当に日本人に生まれて良かったと実感しますわ…。
夕方4時からは今回の最後の視察先であるジェトロを訪問、改めてロシアの状況を解説して頂きました。言わば今回のツアーのおさらい、総集編といったところです。
尚、この日のモスクワも猛暑、しかも旅行出発前に主催者側から企業訪問時はジャケットにネクタイの着用を義務付けられており、このクールビズの時代にかったるいなあと思いながらも従っていたのですが連日の暑さに皆ギブアップ、誰からともなくクールビズスタイルになっていきました。 あらら、主催者の近江さんが真っ先にネクタイ外しているぞ(笑)。
前にロシアは親日家で日本製品の評価はすこぶる高いと書きましたが、ロシア人が欲しがるメイドインジャパン製品のベスト3は(1)化粧品(2)一眼レフカメラ(3)紙おむつとの事です。
また、ロシアでは女性が3〜4人目の子供を出産する時には補助金を出すなど積極的な子育て支援を行っているようです。一人っ子政策で失敗した中国を反面教師としているのでしょうか。
夜はこの日もオプションツアーの民族舞踊観賞があったのですが例によって興味の薄い私はパス、行かなかった6人ほどのメンバーで地下鉄に乗って2つ目の駅で降り、賑やかな大通りを歩いて食事をしました。
一人で言葉の通じない異国で電車に乗るなど恐ろしくて絶対出来ませんが6人いれば何とかなるもの、行きも帰りも迷子になりながらも無事帰還できました。
通りの似顔絵描きが描いていた女性の絵がどう見ても往年の女優、美保純(←知ってる?)にそっくりで気になって仕方ありませんでした。細かい事が気になる僕の悪い癖(笑)。
また、ぶらぶらと土産物屋を覗いていると面白いものを発見して思わず衝動買い、恐怖のオリジナル・ガスマスクです。
1200ルーブル(約4000円)も出してこんな物買うバカは私ぐらいか(笑)。
第6〜7日目 6月29〜30日(土、日)
早いものでとうとう帰国便に乗る日、最後はモスクワの観光の名所として、あまりにも有名なクレムリンと赤の広場です。
クレムリンとは城塞を意味するロシア語(正確にはクレムリ)でこの広い場所にはロシア連邦大統領府が置かれ、他にも様々な施設があります。
そして赤の広場、名前を聞くとかつてここで血の惨劇でもあったのか、それとも社会主義を連想させる赤色の事を指しているのかと思ってしまいますが実は全く関係なく、ここでいう赤とは美しいの意味、ようは「美しい広場」の事だったのです。しかしだだっ広い広場は日陰が殆どなく、私にとっては赤い広場というより暑い広場でした(苦笑)。
観光後は時間に余裕があったのでモールで食事と買い物をしてから早めに空港へ、夜8時の飛行機で帰国の途に着きました。
しかし! 本来ならこの後、希望者のみシベリア鉄道に乗って一泊する幻のオプションツアーがあったのですよ! 実はこの企画、例によって言いだしっぺはこの私で昨年のベトナムでロシア視察の予定を聞いた私が、近江部長に「どうせならシベリア鉄道に乗りましょうよ。」と焚きつけて企画されたのです。
楽しみにしていたのですが出発直前になって旅行社から来た手紙には「オプションツアーは人数不足(最少催行人数5人)により中止になりました。」との文字が…。
これが一番の目玉だったので行く前に思いっきりテンションが下がりました。
しかし視察中に明日香出版の石野社長はじめ何人かの話を伺っていると結構申し込んでいた人はいたようで、どう見ても私と近江さんを含めると5〜6人は確保出来ていたようです。どうやら採算性など旅行者側の都合で中止に追い込まれた公算が大でまったく、人生幸朗師匠(←知ってる?)じゃないけど「責任者出てい!!」と言いたいですよ。
実現していたらこの日モスクワにもう一泊して翌日シベリア鉄道に乗車して車中で一泊、エカテリンブルグまで行くはずだったんですけどねえ…。
4月にはトワイライトエクスプレスに乗りそびれるし(FILE No.322「爆弾低気圧」参照)どうも最近、長距離列車とは相性悪いな…。
と言うわけで歌のタイトル通り、本当に「さらばシベリア鉄道」になってしまったというオチでした(涙)。
飛行機で9時間半、朝10時半に成田に到着、私はそこから羽田に移動して伊丹へ、へとへとで家にたどり着いたのが夕方5時頃でした。
実はこの日、大阪(高槻市)で太田裕美さんが出演するコンサートがあったのです。
ご覧のような状況で私は行けませんでしたが(ついいつもの習慣でチケットを押さえてしまい慌ててネットオークションで売り捌きました)、ちょうど私が家に着いたのが コンサートの開始時間とほぼ同時刻、あ〜、もうすぐ「さらばシベリア鉄道」を歌うんだろうな〜などと想像していました。
予想外の猛暑で大変だった今回のロシア視察、しかし(気候も含めて)ロシアに対する印象が180度変わった旅でした。何でも現場に行ってみないとわからないものだとつくづく思いますが、どうせなら今度は最もロシアらしい厳寒の真冬に行ってあの独特の毛皮の長い帽子を被ってみたいものです。それにシベリア鉄道乗車の夢もまだ諦めませんので! 今回は果たせなかったシベリアと呼ばれる地帯に足を踏み入れてみたいものです。
今回のレポートは(いつもですが 笑)文中の表現にやたらと有名人の名前や映画のタイトルを使いましたので、最後も映画のタイトルで締めましょうか。
懐かしや、007シリーズの名作「ロシアより愛をこめて」…。
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