FILE No. 1004 「夢の続き」

「夢の続き」
まもなく8月も終わりますが、相変わらず約2か月遅れで延々と続くこのブログ、6月のネタもいよいよ終盤にさしかかり、今回は27日に行われたDIEインイタ大会のお話です。
杏ちゃむちゃんは元々グラビアアイドルの出身、10年前のまだ10代の頃に撮影会に来たファンから貰った招待券でドラゴンゲート後楽園大会を初めて観戦、プロレスにはまったそうです。
様々な団体を観戦するうちに、最初のドラゲーとは全く対極のデスマッチが好きになり、特に大日本プロレスに熱心に通いました。そこで当時同団体の所属で、身長155cmと日本の男子プロレスラーの中で最も小さいながらも過激なデスマッチをやってのけるさくだとしゆき(当時は佐久田俊行)選手の大ファンに、それこそ地方まで遠征する程のハードヨカタと化しました(まるで現在の誰かさん 笑)。
長野に里帰りした時のプロレス観戦でグレート☆無茶にスカウトされたのがきっかけで「デスマッチがどうしてもやって見たくて」と2018年にプロレス入り、そしてプロ4年目の2022年、“憧れの人”さくだ選手との試合のチャンスがやって来ました。
4月17日に秋田県大館市で行われた映画館プロレス(File No,792 参照)がその舞台でしたが、意外にも杏ちゃんは当初このカードのオファーを断ってしまいました。まだ自信が無かった事も理由の一つですが、映画館プロレスはマットの試合、折角夢が実現するならやはり正調のリングでとの思いが強かったのでしょう。
ただ、狭いようでやはり広いプロレス界、これだけ多くの団体が密集し1000人ものプロレスラーがいる現状では一度チャンスを逃してしまえば、次にいつ出会えるかわかりません。もしどうしても戦いたい相手がいても、怪我による引退などで永遠に戦えなくなる事だってあります。
昭和の時代は新日本プロレス、全日本プロレス、国際プロレスと団体の数こそ少なかったものの、あまりにも団体間の壁が高過ぎて(それぞれがテレビ局との専属契約があった事も大きな理由)それこそジャイアント馬場とアントニオ猪木のBI対決を始め、多くのドリームマッチが本当に永遠の夢となったものでした。
杏ちゃんには「あの時戦っておけば良かった。」と後悔するプロレス人生を歩んで欲しくなかったので、この時もこの際マットプロレスでも何でも取り敢えず戦っておいた方が良いとアドバイスさせて頂きました。その後縁あって今度は正調のリングで戦う機会が巡ってくれば儲けものですし、それよりも折角はるばる秋田まで遠征する自分自身がそのカードを観たいと言うのが一番の理由でしたが(笑)。
その気持ちが通じたのか、杏ちゃんは再度のオファーを受諾、かくして大館の古びた場末の映画館で夢の対決が実現したのです。因みに藤波さんが憧れの人だった師匠・猪木さんと初めて戦ったのも奇しくもここ秋田でした(78年5月20日)。
試合は今思い出しても期待通りの凄絶な一戦となり、ましてや当時は杏ちゃんの流血戦を観るのが確かまだ二回目だったので衝撃度が大きく、私にとってはこの年のベストバウト(まさかマットの試合が!笑)となりました。
あれから4年、大日本を離脱しフリーランスとなったさくだ選手は、昨年から毎月行って来たインイタでの自主興行を今年からDIE(DEATHMATCH INNOVATIVE ELEMENT)プロレスリングとして正式に団体化しました。
そして、ずっとレギュラー参戦していた杏ちゃんもDIEの所属となったのです(信州ガールズとのW所属)。
同じ団体となったからにはいつでも戦える環境、4年ぶりの再戦を早期に期待していましたが杏ちゃんは「自分はまだ未熟だから…」と謙遜気味でした。これはすぐにはないかな、と思っていましたが、唐突に6月27日のシングル戦が決まり狂喜しました。
惜しむらくは、さくだ選手は団体の至宝であるアジアンデスマッチ選手権を保持していましたので、杏ちゃんがベルトに挑戦するタイトルマッチがベストでしたが、4月に王座転落してしまい残念ながらノンタイトル戦となった事です。しかし4年前の夢の続きが観られる事には変わりなく、当日を心待ちにしていました。
しかもこの日の杏ちゃんはアイスリボンと昼夜のダブルヘッダーと言う過酷なスケジュール、先ずは蕨のアイス道場でタッグマッチを1試合消化、夜はインイタに移動しての大一番となりました。
4年前と同様に椅子、有刺鉄線ボード、蛍光灯が飛び交う大流血戦、杏ちゃんもしっかりと4年分の成長を見せつけましたが、最後は安全ピンボードの上に頭から叩きつけられる大技の前に玉砕、試合後の杏ちゃんは悔し涙で「勝ちたかった!」と絶叫、さくだ選手のノーサイドの握手を振り払った程で、その意気や良しです。
それにしても前述のように4年前はまだ流血戦を見慣れていなかったので衝撃的でしたが、今やそれがほぼ毎月、DIEの試合でもたまに流血が無い時は肩透かしの感があるのですから慣れとは恐ろしいものです(笑)。
尚、この日の死闘の模様はDIEのYouTube公式チャンネルで視聴可能なので是非皆様ご覧ください、但し心臓が弱い方はご遠慮を!
いつの日か、今度はアジアンデスマッチの王座を賭けて、三度目の夢の続きを期待しています。
(この日のツーショット集 こちらをクリック)
次回でようやく6月ネタが終了します。


