FILE No. 816 「関節技の天使(1)」

「関節技の天使(1)」

前回に続いての11月編、18日の夜はトークイベントで久々に前田日明さんにお会い出来ました。SNSで繋がっているおかげで「よう、女子プロレスラーと仲いいよな。」といじられましたよ(苦笑)。

コムボックス光明池で無料試合

翌日は杏ちゃむちゃんの撮影会に参加、今回も試合コスチュームを持参して貰いましたが2021年の夏から一年以上激闘を繰り返して来た為、老朽化が激しく(この日は足の網タイツ部分の破れが発覚!)翌月から新コスチュームにチェンジするとの事、従って撮影会での使用はこの日が最後となりました。


その杏ちゃん、次の日は大阪でエナジャイズに参戦、会場は光明池にある商業施設コムボックスの屋上で(入場無料大会!)、この日がデビュー戦となる牧野しおり選手との試合が組まれました。

試合前に大仁田厚と守屋博昭のトークショー

エナジャイズの旗揚げ(FILE No.761参照)に参戦した時、まだ練習生で右も左もわかっていないしおりちゃんにセコンドの着き方やプロの心構えをアドバイスした事から、「自分のデビュー戦の相手は是非この人に務めてもらいたい!」と熱烈なラブコールを受けて大役を引き受ける事になったそうですが、正直プレッシャーで気が重かった事でしょう。今日だけは3分以内の秒殺で終わっても致し方ないと思っていましたが、入場無料とは言え正直それでは物足りない、かと言って無理に10分以上引っ張っても相手の粗が目立ってしまうだろうし、どうなる事かと見守っていました。
いざ本番となると受けに回って可能な限り相手の良さを引き出したうえで場外戦や空中殺法も織り交ぜ、まるでスパーリングかのように寝技地獄に引き込みフェイスロックで決めると言う完璧な試合、因みにタイムは8分台と長過ぎず短過ぎずのこれまた理想通り、見事な仕事ぶりに唸りました。

翌週23日の祝日はマジックボックス、この日はあいにく終日大雨、杏ちゃんはタッグマッチで“レジェンド”井上京子と注目の初対決でした(杏ちゃむ&佐藤綾子 VS 井上京子&デボラK)。 しかも杏ちゃん以外の3人は皆、元全日本女子プロレスで現在はプロレスリング・ディアナの所属、お~っと、これはかつて猪木さんが経験したタッグマッチ4人の中にUWFが3人と同じ図式じゃないですか!(アントニオ猪木&藤原喜明 VS 前田日明&木戸修 86年12月10日 大阪城ホール) 
当時私は会場にいましたが、あのゾクゾクするような緊迫感は忘れられません。
因みにこの9年後にも同じ大阪城で猪木1人とUWF3人がありましたが(アントニオ猪木&高田延彦 VS 藤原喜明&山崎一夫 95年12月30日)こちらの方は前回のような殺気が希薄だったのは、やはり前田が絡んでいなかったからでしょう。
話が脱線しましたが、異色のタッグ戦は京子のラリアットの前に杏ちゃんが沈み幕、しかし他の3人にキャリアと経験で劣る杏ちゃんがそれを全く感じさせなかった事を付け加えておきます。

この日の休憩時間中、顔見知りのガンダーラ鈴木レフェリーと暫し雑談をしていて、先頃スターダムのリングでプロレスデビューしたテレビタレントのフワちゃんの話題となりました。・・・と言うか私そもそもフワちゃんを知らなかったので(苦笑)さほど関心も無かったのですが、たまたまテレビ「行列のできる相談所」でデビュードキュメントをまるまる一時間やっていたので、思わず見入ってしまいました。
試合はとても初戦とは思えないレベルで感心しましたが、私が注目したのはむしろ一人のプロレスラーが誕生するまでの練習風景でした。腕立て伏せや息上げなどの基礎訓練から始まり受け身やロープワーク、そしてブレーンバスターやらドロップキックなどプロレス技の練習・・・プロレスラーに対して改めてリスペクトの気持ちが湧いて来ましたが、一方でピーターことミスター高橋氏が著書に書いていた「今のプロレスラーはシュート(セメント)の練習をせずハイスパット(試合のヤマ場に使う大技)の練習ばかりする」と言うのは本当なんだな、の思いを強くしたのも事実です。基本となるレスリング、裏技をも含むサブミッション(関節技や絞め技)今はそう言う技術を教えられる人も少ないのかもしれませんが、ガンダーラ鈴木さんも「表の技(大技)だけでなく裏の技を疎かにしないで欲しい」と言う意見でした。ベースにそれが無いから皆が見栄えの良い大技にばかり走り、その結果どうしても軽く見えてしまう、それが現代のプロレスなのかもしれませんが、杏ちゃんは“関節技の天使”の異名の通り、石川雄規選手からサブミッションを習っており、試合の随所でその技術が垣間見えます。石川選手の師匠は勿論藤原組長、そして組長は猪木さんやカール・ゴッチの直伝ですから杏ちゃんは猪木さんの曾孫弟子なのです(笑)。

Gメッセ群馬

週末は赤井沙希ちゃんのサロン(通算4回目)に行き、その後は巣鴨の闘道館で高坂剛さんのトークイベントに参加、前月(10月)には長井満也さんにも会いましたが、前述の前田さんと言い最近は元リングス(U系)に縁があります。


翌日は初めて訪れるGメッセ群馬、杏ちゃんはまたしてもレジェンドとの対決で堀田祐美子とのシングル戦が組まれました。 サブミッションもやはり上には上あり、最後は堀田のワキ固めにタップとなりましたが、デビュー戦の新人から大ベテランまでと対戦オファーがあるのはそれだけ評価が高いと言う事でしょう。

大仁田さんの膝、これはもうプロテクター
試合後も血が止まらずヒヤリ

メインは大阪以来一週間ぶりの大仁田さんでしたが、人工関節の膝に巻いたサポーター(と言うよりプロテクター!)を目の当たりにして声を失いました。
おまけにコーナーに立てかけられた有刺鉄線ボードに突っ込んだ時に目の横を切るアクシデントあり、試合後もなかなか流血が止まらずヒヤリとしました。

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次回はいよいよ寒さ到来の師走編に入ります。