FILE No. 876 「クラウドへの道(1)」

「クラウドへの道(1)」

その悪夢のような悲劇が起こったのは、まだうだるような暑さが続いていた昨年8月初めの事でした。

私は撮影した写真(&一部動画)のデータをパソコン(以下、PC)に取り込み、さらに外付けのハードディスク(以下、HDD)に移しています。
PCは容量がすぐ限界に来てしまうのであくまで一時保管、HDDを永久保存用していますが、そのHDDも通算3台目に突入、8月のその日もいつものようにPCからHDDにデータ移行を行っていました。その際中、ついバタバタしていてうっかり接続コードに足を引っかけHDDを卓上から床に落としてしまったのです!
ヤバい!慌てて拾い上げるとウーンと異音を発し、再度コードで繋ぐもそのまま作動しなくなってしまいました。すぐに社員にお願いして近所の修理専門店に持っていって貰いましたが、実のところこの時点ではすぐに修理出来るだろうと楽観視していました。
しかし帰って来た社員の報告を聞くと、「作動中のHDDを落下させる(衝撃を与える)のは一番やってはいけない事」とダメだしされ、取り合えず預かるがかなり絶望的と言われたとの事で、流石の私も真っ青になりました。
何しろこのHDDには2021年5月から2023年8月直前までの貴重なデータが全て保存されており、それが取り出せないとなると一大事です。
祈るような気持ちで続報を待っていたところ、結局そのお店ではとても手が付けられない程の重傷で、さらに外部の専門業者に依頼する事になったと言う話でした。
それからさらに数週間が過ぎ、神に祈る気持ちで吉報を待ちましたが、返って来たのは「データ復旧業者での開封解析作業を実施し、損傷面を除外した処理を試みたもののファームウエアエリアの物理的損傷が激しく、解析・整合を一切受け付けない状態に達しており、長期的な解析でも整合は不可と判断致しました。」という非情な回答でした(涙)。
因みにファームウエアとはHDDにおける各種部品の動作プログラムの事だそうです。
目の前真っ暗とはまさにこの事…まあ多くの方がそうでしょうが、過去の膨大な写真などそもそも見返す事など滅多に無いものです。ましてや私の場合、代表的なものはこのブログのアルバムに掲載していました。思えばそれがせめてもの救いで、それらはブログが存在する限りは閲覧可能です。他にもTwitterやFacebookなどに投稿していたものは検索して可能な限りは回収しましたが、それでも失った全データからすれば雀の涙で、どうしても諦めきれませんでした。それにしても他の人はデータ保存をどのようにしているのか?と、ある日私以上に写真を撮影しているカメラ小僧のファン仲間に聞いてみたところ、SDカードのままで保管しているとの事…そんな何度でも使えるのに勿体無い!おまけに全く整理していないので膨大なSDカードのどれに何が入っているかさっぱり分からなくなっているそうです(苦笑)。
失った貴重なデータを取り戻すべく、藁にも縋る心境でデータ復旧が出来そうな業者を探し回り、業界でも最大手と思われる某社にたどり着きました。
宣伝文句によるとそのデータ復旧率は驚異の95%以上と国内トップクラスのレベル、しかも他社が復旧不可能だった事例の解決実績も多く、私と全く同じ、動作中のHDDを落としてしまい認識しなくなったものからデータ復旧に成功した事もあるとの事でした。
本社の住所が六本木ヒルズの森タワーと知って、突如私の記憶が蘇り、何年か前にもこの会社にお世話になった事を思い出しました。
その時は東京のとあるイベントにて写真を撮影したのですが、つくづくドジな私はカメラのデータ転送ボタンと削除ボタンをうっかり間違え、今撮影したばかりの写真データを消去してしまったのです!因みにこういう時はすぐSDカードを抜き取り使用しないようにしましょう。データが上書きされると復旧率は低くなるからです。
慌ててネット検索でこの会社を見つけ、殆ど飛び込み状態でそのまま六本木ヒルズに直行、無事データ復旧に成功しました。
その時の経験からここなら何とかしてくれるだろう!と、何度も書くように藁にも縋る気持ちでまず診断を依頼、これまでの経緯を全てお話しましたが、前述のように先方は私のようにHDDに衝撃を加えてしまった事例を含め他社がギブアップした難易度の高い復旧事例も多いので自信ありげでした。
意地悪な?社員からは「成功率95%と言っても5%の失敗の可能性もありますから」と言われましたが(苦笑)、私は日本が世界に誇る技術力に賭けました。
信じて待つ!…って「スクール☆ウォーズ」の観過ぎだよ(笑)!
(File No.871 参照)

決して安くない着手金を前金でお支払いし、壊れたHDDを送って、針の筵の心境で朗報を待ちました。果たして失ったデータの復旧なるか!?

(次回へ続く)