FILE No. 878 「予算達成!(9)」

「予算達成!(9)」

今週は3月最後のブログですが、思えば今年に入ってからのネタを殆どお送りしていませんので在庫は溜まる一方、我が社も今月棚卸しですが、ブログネタも来月から少しずつ小出しにしていくつもりです。

今月は我が社の決算期なので恒例により業績報告をさせて頂きます。
これを書いているのが3月初旬なので正式な数字ではありませんが、株式会社タミヤの記念すべき第50期は売り上げ42億円(前年比110%)、利益(税前)は約1億円前後と、当初計画していた目標予算をクリア出来る見込みとなりました。
一口に売り上げ42億、利益1億と言いますが、いずれも我が社始まって以来最高の数字(涙)、改めまして頑張ってくれた社員、ご支援頂いたお取引先に感謝します。

過去をさかのぼると遥か昔、まだ私が社長になる以前の1995&1996年にも売り上げが40億に達していました。
私の手元にある古い決算書によると96年度(第23期)の売り上げは40億6700万円、ただ、この時代は売り上げこそ右肩上がりだったもの残念ながら利益が無かった(苦笑)…ぶっちゃけると40億もの売り上げがありながら営業利益は2000万、経常利益2800万、税引き後の最終利益はわずか1000万しか無く、しかもこの頃は今では考えられない程の不良在庫を抱え、不良債権も隠れていましたので事実上の赤字でした。
典型的な売り上げ至上主義(次回のテーマにしたいと思います)に捕らわれ低収益体質がずっと続いていたのです。
我々の業界は12月が年間最大の繁忙期ですが、あれは確か95年の12月、この月の売り上げが会社始まって以来最高のものとなり、当時の役員や幹部ら上の方々は「タミヤ始まって以来の売り上げだ。」とはしゃいでいました。私は入社3年目、年末を目前にして連日夜遅くまでの作業でへとへとでしたが(リクルート学生諸君、今はそんな事無いのでので御安心を!)私も含めて誰もが「冬の時代」が目前に迫っている事に気が付いていませんでした…。
過去の手記(File No.159174、File No.800805 参照)に詳しく記したように97年に当時最大規模の売り上げがあった某お得意先との取り引きが終了、ここから業績は坂道を転がるように悪化していきました。
売り上げだけを記すと97年は39億と微減でしたが、大得意先との取引停止が一周した98年は34億に急降下、99年も同様でした。
元々低利益なところを右肩上がりの売り上げでカバーしていたのにその歯車が狂い始め、99年にはほぼ毎月営業赤字を計上する危機に陥りました。
そんな崖っぷちのタイミングで私は社長に就任、業績悪化に歯止めをかけ利益体質に転換する為に様々な改革を試みるもすぐには功を奏さず、社長初年度の売り上げは34億、決算書上では何とか辻褄を合わせたものの利益は実質赤字でした。
翌01年度は売り上げ31億まで下がったものの、この頃から少しずつ改革効果が表れ始めました。02年、03年も売り上げこそ31億とずっと横ばいでしたが、03年は税前利益で6千万(*節税策で決算賞与支給など意図的に利益を減らした)と、当時の最高益を計上する事が出来ました。
しかし好事魔多し…改革についてこれなかった連中(通称アルカイダ)が反乱を起こした事によりダメージを受け、そこから立ち直りきらぬうちに06年、当時のナンバーワンお得意先から突然の取引停止(*16年後に奇跡の復活!)を食らい、大赤字に転落します。
因みにこの年の売り上げは24億まで落ち込み、マイナス5400万円の最終損失と会社始まって以来の赤字額となりました。つまり私の代では天国と地獄、過去最高益と最高赤字の両方を経験しているのです(苦笑)。
ここから再出発のゼロスタートとある意味開き直り、一年がかりでどうにか赤字からは脱出、売り上げは07年が26億、以後30億、33億…と再び浮上、2010年度は売り上げ35億で税前利益7900万と再び最高益を更新する事が出来ました。

ここまで振り返ってみてわかるように、我々のような中小企業は主としてお取引先の事情や変化によって業績が左右されがちなのは致し方ありません。
ここ10年間の売り上げは30億円台を上がったり下がったりしながら推移、利益はずっと黒字計上でしたが、コロナ禍初年度の2020年は売り上げ31億まで落ち込み最終利益も赤字決算となりました。
その後34億、そして前期が38億とV字回復、それ以上に利益面が絶好調で今期も有終の美を飾れそうです。

こうして数字を見ながら自分が社長になってからの24年間を振り返ると、本当に良い時って少なかったなあと…もしこれがプロ野球チームの監督ならとっくにお払い箱、首を挿げ替えられているでしょうね(苦笑)。
非上場の中小同族オーナー会社なので私がずっと社長を務めていますが、雇われの身なら即解任間違いなし? 最終的なケツは拭かなくて良いしそれなりの権限もあるのでグループ会社の雇われ社長が一番羨ましいと常日頃から口にしていましたが、常に業績を上げ続けなければ明日がないそちらの方がかえって大変かも…確実に検挙率を上げなければ解散させられる遊撃捜査班(「大追跡」より)みたいです(笑)。

2010年の手記のラストに記した夢、「今の目標は自分の代で再び最高の売り上げ(40億以上)を、今度は最高益を持って更新する事」を、実に14年がかりで実現する事が出来て感無量(涙)ですが、これを一時のものとせず盤石の体制を築くべく、今後も努力していく所存です。