FILE No. 848 「重大発表!?」
「重大発表!?」
まだまだ続く暑い夏、そろそろ盛沢山の7月ネタを紹介していきます。
先月19日に発売された週刊プロレス(以下、週プロ)に、次号予告として「週刊プロレスから重大発表」の文字が踊りファンを騒然とさせました。
その時、私の脳裏をよぎったのは休刊(廃刊)の二文字でした。
今から17年前、2006年に週刊ファイトが休刊になった時も前号で「次号で重大発表」とやっていたからです。大体雑誌がこういう書き方をする時は九分九厘悪いお知らせで、今年創刊(月刊から週刊に移行して)40周年を迎えた週プロもその栄光と共に終焉になるのかと…。
SNS上でも多くのファンが心配の声を挙げていましたが、中には40周年イベントとしてかつてやった東京
ドーム興行「夢の懸け橋」(File No.776 参照)の再現!?などのコメントもあり、出版業界の苦境を知っている者としては失礼ながらなんでそこまで能天気になれるのだろうと苦笑してしまいました。
昨年のブログで「プロレス週刊誌」と題し、駄文を掲載させて頂きましたが(File No.779~782 参照)もし本当に週プロがファイナルならこのタイミングで書くべきだったと後悔しつつ、何人かの関係者に探りを入れて見ました。
箝口令が敷かれているのか、本当に何処からも情報が漏れていないのか?皆さん異口同音に「重大発表が何なのかはわからない。」との返事でしたが、冷静に見て「休刊の可能性はかなり高い」との見解が多数でした。その根拠としては週プロを発行するベースボールマガジン社が一年程前に「ボクシングマガジン」「近代柔道」「ソフトボールマガジン」「コーチングクリニック」の4誌を休刊にしていた事が挙げられます。その時も一部ファンの間で「週プロは大丈夫か?」の声が上がっていましたが、いかに「週刊ベースボール」と並ぶ同社の目玉とは言え、激しい出版不況の中では決して安泰とは言えません。実際、全盛期とは比べ物にならない程部数が激減しているのは周知の通りです。
ただ、雑誌は休刊になっても同時発行されている電子書籍版、最悪でも週プロモバイルは残る予感はありました。試合結果や日程がすぐにわかるモバイルは非常に重宝しており、私を含めこれが無いと困るファンはかなり多いと思います。逆に言えば雑誌が無くなってしまう事は大変ショッキングではあるものの、少なくとも今の私にとってはモバイルさえあれば不便さは感じません。そう、実はかく言う私も、こんなに週プロの事を心配していながら現在は年に数回程度しか買っていないのです(苦笑)。詳しくは昨年のブログに書きましたのでそちらをご参照頂きたいのですが、ようは買っても読むページが殆ど無いからです。
あらゆるニュースがSNSでリアルタイムに伝わる昨今、流智美先生のコラムの他にちょっと気になる記事、後はグラビアにぱらぱらと目を通すだけなら立ち読みで事足りてしまうので、毎週590円を支払うのは貧乏人にはちと辛いです(苦笑)。私ですらそんな状況ですから今のプロレスに殆ど興味のない同年代のマニア連中は推して知るべし、我々昭和の亡霊はGスピリッツなら隅々まで読むのですけどね(笑)。従って週プロの現在の読者層の大半は新日本プロレスやスターダムを中心とした試合のグラビアや選手のインタビュー記事を目当てとしたファンでしょう。
もはや休刊は決定的か!?…重大発表の正体がわかるXデーが近づき覚悟を決めました。週プロは水曜日発売ですが、東京の一部では火曜日の午後には買えるので朝からドキドキ、この日の朝にはSNSに週プロ最新号の告知がアップされましたが、表紙には「重大発表は巻頭で」の文字のみで実際本を手に取らないと中身がわからずやきもきしました。
この日私は大阪にいたので何か情報が無いかと何度もSNSをチェックし気もそぞろ、因みに11時から世間を揺るがす不祥事の発覚したビッグモーターの社長が会見をやっていましたが、私は週プロが心配でうわの空で観ていました(笑)。
午後になり、時間を見計らって東京の親しい某プロレスショップの店長に電話を入れました。勿論、週プロ最新号が入荷していたら誌面を確認して貰う為でしたがここで驚くべき事実が判明、なんと半年程前から早売りが一切無くなっていたのです!
理由はベースボールマガジン社も相当人が辞めているので、手が回らなくなった事が原因だろうとの事でしたが、30年以上も前から続いていた一日早く買えると言うプロレス週刊誌特有の慣習が無くなった事で、一層終焉が決定的の思いを強くしました。
とにかくこれで翌日の正式発売を待つしか手が無くなりましたが、毎週水曜日の朝に私が立ち読みしている自宅近所のセブンイレブンには夜中のうちに入荷しているはず、気になって朝までとても待てないので深夜0時を回ったらチェックに行く腹積りでした。
結局、0時とともに電子書籍版が最新号に更新されるので、こちらを購読している友人が巻頭記事のスクショを送ってくれました。
気になる重大発表の中身は「週刊プロレス創刊40周年記念イベント&企画スタート!記念トークライブ月イチ定期開催、誌面では記念企画&人気コーナー限定復活etc」…「大山鳴動して鼠一匹」とはまさにこの事、呆れるやらほっとするやら、一週間針のむしろ状態だったたのでヘナヘナと気が抜けてしまいました。
ネット上では怒りの声も挙がっていましたが、果たして確信犯(*本来意味からは誤用)か、それとも悪意は無かったのか? まあ、人の好い?私などは心配が杞憂に終わり肩の荷が下りて一安心でした。
SNSの無い時代は紙が全て、情報に飢えて一日でも早く読みたくて早売りの店に駆けつけた
懐かしい日々、どんなに読む所が無くなっても青春時代の象徴には絶対に無くなって欲しくないです。
書店のスポーツ雑誌コーナーに行くと週刊誌はプロレスとベースボールのみ、そう、週刊相撲や週刊サッカーは無いのにプロレスには週刊誌が存在する事がファンにとっては現在もステータスなのです。創刊40周年を祝福し、これからも続く事を願ってやみません。あっ、11月の赤井沙希ちゃん引退試合の号は買いますので是非表紙に抜擢お願いします(笑)!