FILE No. 861 「謎の新団体旗揚げ!(2)」

「謎の新団体旗揚げ!(2)」

今回のテーマは「謎の新団体旗揚げ!」…って、このタイトル、2年半前に我が地元大阪でコレガプロレスが発進した際(File No.723 参照)にも使っていました。
一時期は毎日のように通っていたコレガの顛末ですが、常設会場のコレガスタジオで毎日開催の画期的システムでスタートしたものの、コロナ陽性者を不用意にリングに上げクラスターを引き起こした騒動で業界の信用を失った事でつまずき一時期休業、復活後は週末のみ開催のスタイルに変更して継続していましたが昨年末に「コレガスタジオの外壁工事で暫く休業しますが来年春先には再開します。」と再び冬眠、そのまま淋しくジ・エンドとなりました。

コレガスタジオ跡地…

終了の正式発表こそ無かったものの先日、コレガスタジオの近くを通ったので覗いてみたら既に看板も取り外されかつての面影はありませんでした。廃刊になる雑誌が「休刊」と言うのと同じで終わるとは思っていましたが、前述のように一時は毎日のように通った場所ですから物悲しかったです。いつだったか野田阪神駅に向かう電車でご近所の住民、シーピー化成の上野専務に目撃されまして、お会いしたら未だその話をされます(笑)。
そう言えば数カ月前、知人を通じて私のところに「コレガで使っていたチャンピオンベルトを買いませんか?」なる話が舞い込みました。団体実使用の本物ですから興味はありましたが、観客10~20人の世界で争われていたどインディベルト、私の査定額はせいぜい2~3万円です。これは決して暴論ではなく、栗栖正伸さんがハワイから持ち帰ったオールポリネシアンタッグ王座に私とドクトルルチャ清水先生がした値付けと同額で極めて適正(個人的にはむしろ栗栖ベルトの方が価値が上と思う)(File No.580 参照)、それに対しコレガ側の希望額はその10倍!これには些か呆れました(苦笑)。
実際の製造原価にそれぐらいかかっている事と少しでも損失補填をしたい気持ちはわかりますが、相場の10倍で買うなど私のプライドが許しません(笑)。その後どうなったかは知りませんが、もし再考の余地があるならまたお声がけください。

さて、やっとここからが本題、コレガとは比較出来ない程のスケ―ルで、なんと海の向こうアメリカで日本人女子プロレスラーの団体が旗揚げしました!
アメリカのファンの間でクオリティの高い日本の女子プロレスの評価が高い事は以前から知っていましたが、日本人女子選手の団体が誕生するとは驚き、私が複数の女子選手からその話を聞いたのは今年の5月頃だったでしょうか?
旗揚げは9月で、出場するのは日本人女子選手のみ、3カ月に一度のペースで全米主要都市で大会を開催し基本は2年契約、この条件でブル中野さんがブッカー役となり選手を集めているとの事でした。当然しがらみや制約の少ないフリー系選手が大半となりますが、赤井沙希ちゃんにもオファーがあったと!ご本人としては興味はあったものの、既に年内引退を決めており(5月24日に引退発表)断ざるを得なかったそうです。私としては引き受けて2年延命して欲しかった(苦笑)。
杏ちゃむちゃんにも話がありこちらは契約成立、その後アメリカからコスチュームのデザイナーやヘアメイク、カメラマンがわざわざ来日し宣材写真やプロモーション映像を収録した等、断片的な話は聞こえて来るものの、夏の終わりが近くなってもなかなか正式な発表が無いので、本当に旗揚げするのか?プロレス界にありがちな大山鳴動して鼠一匹、自然消滅したのかな?とやきもきしていたところ、日本には情報が全然伝わって来ませんでしたが9月21日(現地時間)ニューヨークでの旗揚げ戦チケットが1日から発売され、わずか2時間程でソールドアウトとなりました。

「SUKEBAN」旗揚げに集結した日本人女子選手、全員全く別キャラクター
杏ちゃむ双子の姉妹!? ベビー・フェース!

この頃になるとようやくSNSに写真や映像が流れ出しましたが、事前に全選手共日本とは全く違うリングネーム、コスチューム、ギミック(キャラクター)になるとは聞いていたものの、ここまで違うと誰が誰だかさっぱりわかりません。
水色コスチュームに身を纏った杏ちゃんの名前はBABY FACE(ベビーフェース)、昔、メキシコに同名の選手がいて初代タイガーマスクと戦ったなあとしみじみ思い出しました(笑)。そして、ようやく姿を現した新団体の名称は「SUKEBAN」(スケバン)!アメリカ人にこの言葉の意味がわかるのか(笑)?
注目の旗揚げ戦を何とか観られないものかと当日やきもきしていたら、TikTokで生配信されている事を知り慌ててアプリをダウンロード、メインイベントのCOUNTESS SAORI(安納サオリ)とICHIGO SAYAKA(ウナギ・サヤカ)のスケバンワールドチャンピオン決定戦のみ観る事が出来ました。
肝心の杏ちゃんの試合が観られなかったので、その後リピートを首を長くして待っていたらところ、後日YouTubeでも全編配信があり改めてじっくり視聴出来たのですが、まず試合会場は日本で言うと後楽園ホールより一回り程小さい所らしく映像だけでも盛り上がりが十分に伝わって来ました。
杏ちゃん曰く、双子の姉妹(笑)ベビー・フェースはMAYA MAMUSHI(雪妃真矢)とのコンビでCOMMANDER NAKAJIMA(中島安里紗)、LADY ANTOINETTE(世羅りさ)と対戦、中島のキューティスペシャルで杏ちゃんが敗れましたが、試合ぶりは日本と比較して全体的にオーバーアクションが多い印象でした。後日聞くとコスチューム、ヘアメイクもあくまで見せる事を重視してデザインされているので実戦向けでは無くかなりやりにくかったようです。

次回大会は12月、フロリダ州のマイアミで開催されますが、これを書いている10月中旬、またアメリカからスタッフが来日し、選手は交代の缶詰め状態で計3日間の撮影を行っていました。まだまだ謎めいていて未知な部分が多いですが、いずれにせよこの団体は相当に資金力のあるバックが付いているようです。
気の早い日本のファンからはいずれ逆上陸、日本公演を期待する声も出ていますが、私としては2年契約の間に

これがSUKEBAN世界王座

現地で観たいもの、何処かの旅行会社が観戦ツアーでも組んでくれないかと期待しています。
ド派手なスケバンチャンピオンベルト(世界的な有名デザイナー作とか、やはり相当資金あり!)が旗揚げ戦で公開されましたが、もし杏ちゃん、いやベビー・フェースが奪取したらレプリカでも良いので入手したいです。どう考えてもコレガのベルトより価値があるかと(笑)。 謎の新団体の今後が楽しみです。